小学生になめられた!「やったー!!」 絵本作家「喜び」のナゼ

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   かのピカソは「僕は子どもの頃に子どもらしい絵を描けなかった。子どもらしい絵を描けるようになるのに一生かかってしまった」と言ったとか。自分の中にある子どもの部分は、年をとるにつれて徐々に失われていく。常識と理性を身につけ、社会人としての能力を身につけていく。だがピカソのように、それに反抗して子どもに戻っていく人もいる。今回のプロフェッショナル、絵本作家の荒井良二もその中の一人だった。

   彼が描く絵本は、まるで子どもが描いたもののようだ。大胆な色使いと書き殴ったような絵。絵本のストーリーは分からないが、とにかくすごく楽しそうだということが伝わってくる。そして描いている本人も、自宅の家電にマジックで顔を描いてみたり、まるで子どものような人だった。

   荒井にとってお客様はお子様だ。だからこそ荒井自身も、子どもの心を持って作品作りをしないといけない。子どもの世界に溶け込むものじゃないと、子ども達は相手にしてくれないからだ。子どもたちと接するごとに"こどもビーム"を浴び、そして自由奔放な想像力の源にするのだという。

   「サイン会の時に、三年生ぐらいかな、その子が俺の絵本を持ってきて『下書きの線、消した方がいいよ』って言われたんですよ。やったーって。嬉しかったですよ。だって対等に見てるか、下に見てるわけですよ」・・・自分だったら落ち込むであろうこんなエピソードも、荒井にとっては、小学生以下の読者と同じフィールドに立てたという代え難い喜びになる。

   彼の作品は、計算された緻密な絵とは対局にある。しかし彼の作品からは温かさが伝わってくる。不思議なもので、美術館などで写真のように緻密に描かれた作品を見ても何も響いてこないものもある。いい絵とは、誰の心にも何か語りかけてくれるものの事を言うんじゃないかと、改めて思った今日この頃である。

文   慶応大学・がくちゃん
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