2024年 4月 25日 (木)

おおたわ史絵「言葉にトゲ」がいい

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   「テレビウォッチ」でまるまる1年間、まあ沢山のコメンテーターを見てきた。経歴も見識も個性も千差万別。まさに多士済々である。タレント、評論家、ジャーナリスト、弁護士、作家、学者、医者、それから霞ヶ関あがり‥‥。

私、こわそうに見えるらしい

   モーニングワイドでは、どんな話題が出てくるかわからないから、視野が広くないとつとまらない。しかし、ただ広いだけで浅いのではもの足らないし、ときには突拍子もない意見も悪くない。専門知識に耳を傾けてもみたい。視聴者はわがままできまぐれなもの。そんななかでレギュラーを続けられるというのは、たいした才ではある。

   なかで、おおたわ史絵(スッキリ)が目に止まった。お医者さんで物書きということしか知らなかったのだが、医学関係の話の出し方が的確で、ときどき言葉にトゲがあったりして面白い。診察室で患者に向かい合っている「ちょっとへそ曲がりのお医者さん」の雰囲気である。

   いつだったか、悪質美容クリニックの話で、葉山エレーヌが「勧誘には、日本語ができないふりをして逃げる」といったとき、「いやらし?ね」とおばさんの一瞥。さらに「わたしは声をかけられない。こわそうに見えるらしい」といったので笑った。しかしそのあと、ちゃんと悪徳医療の背景も解説して、最後に「医療行為はリスクがあるもの。100%よくなるわけではない」とクギを刺していた。ここが肝心なのだ。

   専門知識というといまや、弁護士先生がおおはやり。大澤孝征、八代英輝、橋下徹など、売れっ子はみな大いに個性的で、必ずしも知識だけではないようだ。視聴者の好き嫌いもわかれるのだろう。

   ジャーナリスト・評論家は、概して何でも屋が多いが、抜群の安定感は大谷昭宏(スパモニ)と岸井成格、与良正男の毎日新聞コンビ(朝ズバッ)。とくに大谷は社会部出身だけに、警察情報と下世話に通じていて、起こった事柄の意味をさぐる視線がいい。これにくらべると政治部出身の毎日コンビは、政治問題以外はぐっと守備範囲が狭くなる。面白いものだ。

   意外なのが、タレント軍団。まさに玉石混淆だが、素っ頓狂ナンバーワンはさかもと未明(スッキリ)だ。なんでも自分の問題にしちゃうからズッコケもあるのだが、ことを理解するうえでときに面白い発想・視点に出会う。

   へそ曲がりをずらりとそろえたのが「スッキリ」で、御大のテリー伊藤に勝谷誠彦、宮崎哲也がからむ。沢尻エリカの「だんまり会見」なんかでのテリー・勝谷なんか面白かった。

   ときどき鋭いのが、意外やピーコ(とくダネ)と伊集院光(スパモニ)。野田聖子が本を出したという特集に、伊集院が「プロモーションビデオ? 選挙が始まったんだ」といったのは、座布団2枚だ。

   こうした個性が生きるも生きないも、最後はバランス感覚である。遊びや冗談のなかでも、安心して聞いていられるスタンスだ。浅野史郎(朝ズバッ)がいちど、「テロ特措法」の長ーいフルネームを言いきって聞かせたときは笑った。スタジオも拍手喝采。元宮城県知事・厚生省課長はただものでない。

   その逆が橋下徹。歯切れはいいのだがときどきおかしな脱線の仕方をする。番組仲間の北村晴男弁護士は「時々とんちんかん」といったが、その通りで、光市の母子殺害事件では「俗説」に振り回され訴えられるハメにもなった。大阪府知事ならいいのかどうか。それはまもなく大阪府民が決める。

文 ヤンヤン | 似顔絵 池田マコト

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