「この」ホメ言葉 言われたら気をつけろ!!

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   自費出版ブームに乗って50億円もの売り上げを誇っていた最大手の「新風舎」が、民事再生法の適用を求めて倒産した。被害者は約1000人。明らかになった内実に「詐欺だったのでは」と非難の声をあげている。

使い捨ての感じ

   新風舎は「共同出版」という手法で伸びてきた。全額自費という自費出版ではなく、著者と出版社が費用と労力を出し合い、出版社の信用で本を並べるというもの。無名の人たちには魅力的な仕組みに見えた。これで2005年には52億円を売り上げ、赤坂の1等地に月額1000万円のオフィスをもつまでになった。

   ところが話がその通りにいかない。契約者とのトラブルが続出して、昨年の2007年7月と11月に6人が裁判を起こしてから、発注が激減して資金繰りが悪化、ついに倒産にいたったというのだ。

   ある被害者は、200万円で子供向けの本800冊を作る契約を結んだ。新風舎は「協力店が800あるので、いいところに並べる」といったが、結局1冊も出ていないことがわかった。「店に並んでいない」という。

   同社が執筆者を誘う手口もわかってきた。さまざまなコンテストや賞を設けているが、落選が決まった人にプロデューサーから連絡がはいる。曰く「才能があります」「これだけの水準なら最終選考に残って当然」「プロのわたしたちがいうのだから、間違いない」  また別の証言によると、一種のマニュアルがあって「本にすべきだと社長がいってる」「プロとしてのデビューができるかもしれない」などと、執筆者をくすぐるような言葉で、契約にもちこむというのだ。

   さらに、再生法の適用申請では、松崎義行社長が引き続き社長を務めることになっていて、裁判の原告団の支援者は、「被害者からもう一度巻き上げようというのか」とはげしく反発している。元社員によると、新風舎は人の出入りがはげしく、3カ月で編集長になれるような状況だったという。

   大谷昭宏は、「ここは人も沢山採ってて編集者も著者も使い捨ての感じ。われわれの本だって全ての本屋に並ぶわけじゃないんだから」という。

   村田晃嗣は、「出版は構造不況業種で、よっぽどでないと売れることはないと認識しないといけない」

   山口一臣も、「個人のものが商業ベースの市場に出るには、かなりのハードルがあることを認識しておかないといけない。共同出版というシステムは面白いのだが、もっと誠実にやらないと。自分の本が流通するというのは実現したい夢ですけどね」と。

   大谷はさらに、「団塊の世代が退職して書きたい人はいっぱいいる。自費出版が悪いわけじゃない。本の形にすることはいいんだが、流通することとは別だ」という。「いま1日に300冊新刊がある。それが全部有名書店に並ぶはずがない」

   魚心あれば水心というやつなのか。出版界の甘い言葉は信用してはいけないという教訓。

文   ヤンヤン | 似顔絵 池田マコト
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