姜尚中さんと品格と「私がガッツリ飲んだ訳」の関係

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   「ねえ、今日の放送はよかったの?」 「よかったんじゃないの?ウマくまとまっていたと思うよ。」 「そうかなぁ、なんだかしこりが残っているんだけど。これは一体何なの?」 「そりゃ、精神性の話だからちょっと難しかったけど、オレら力出し尽くし」

   生放送が終わっての打ち上げは、楽しいものばかりではない。 それはまるで、試合後の打ち上げに似ている。ただ、生放送の勝敗は分かりにくい。 この番組はヨカッタのか? それともダメな番組だったのか? 評価は十人十色。

   「いい番組、悪い番組はナイ。人によって違うのだから、自分を信じていい番組と思い込むしかない」と上司に口すっぱく言われてきた。わかっているんだけど、でもつい・・・ 先日久しぶりに、放送打ち上げ後にガッツリと飲んでしまった。ガッツリ飲んでしまったのは、“品格ブーム”を取り上げた番組。放送直後、勝ち負けが私にはわからなかった。

   「なぜ、今“品格”がブームなのか?」をテーマに、新潮社の中瀬ゆかりさん、漫画家でコラムニストの辛酸なめ子さん、そして政治学者の姜尚中さんという、豪華な面々が集まった。では何故この番組の勝敗がわからなかったのか? それは私の認識不足に要因している。おエライさんクラスのオジサンたちが姜さんに番組に出て頂くことで、色めき立ったのだ。あの素晴らしい政治学者の姜さんに、一体何を話してもらうのか? ヘタな真似したら許さんぞ! 失礼のないように! など、放送直前になっていろんな声が飛び交い始めた。

好きなタイプの女性は? は禁断なの!?

   正直、わたしは怖気づいてしまった。政治の話ではなく、目線を下げてフランクに品格ある女性とは何か? ひいては姜さんの好きな女性のタイプなども、ざっくばらんに話していただこうと思っていたのだ。姜さんは、そんなオバカな質問を出来る人ではないの? 不安は的中。中瀬さんと辛酸さんとでゲラゲラ大笑いしながら、打ち合わせをしていたところへ姜さんがご登場。会議室の空気が一瞬凍り、ピ~ンと空気が張り詰め、バカ話は出来ない雰囲気になった。水と油のようなキャスティングか? この組み合わせは、なかなか他ではないとは思っていたが、やはりミスキャスティングか・・・

   では、なぜ姜さんは番組出演を引き受けてくださったのだろうか?

   放送も終りごろになって、スタジオの雰囲気も和やかになったのだが、あまりにも姜さんのお話が立派すぎて、中瀬さんも辛酸さんも発言しにくい状況だった。好きなタイプの女性は? なんて、訊こうと思っていた自分を恥じた。(でも、今でも訊きたい!!) 世の中全てが上昇志向の中、今一度、身の丈にあった暮し、望みを持つことの重要さを説いてくださった姜さん。心に残るような素晴らしいお話が数多く飛び出した。

   しかし、私には腑に落ちないシコリが残った。それは己に対してだ。出演者の皆さんが、もっとリラックスして話せるような台本を書けなかったのか? 打ち合わせのとき、これから生放送に出演するチームとしての高揚感を煽れなかったのか? “品格”について語る時、もっと視聴者が分かりやすい演出はなかったのか? 討論番組とバラエティーの間に立つような、番組作りはできなかったのか? 番組結論が出ているにも関わらず、蒸し返すような中途半端な番組になってしまったのではないか?・・・疑問は後から後から浮かんでくる。

   そんな夜に、勝ち負けを気にしてガッツリ飲んでしまうのである。

踊るオサムン
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