能弁VS口ベタ 生き残るには・・・

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   芸能界が縦社会なのはご存知の通り。

   その芸能界と近くて遠い放送作家業界も、同じくバリバリの縦社会だ。

   ところで、放送作家にも、2パターンの種類がいる。会議で面白い話をディレクターやプロデューサーに吹き込む、ペンよりも弁が立つタイプと、ひたすらこもってパソコンと格闘し出来上がってきたもので代弁する、口下手タイプに分かれる。しかし、基本的に文系で頭脳労働なので、運動神経は全くナイ、スポーツは苦手・・・と共通している部分もある。

   反対にディレクターは体育会系。的確に指示出しをし、場を仕切る役目なので、学生時代にはスポーツをやっていた人も多い。過密スケジュールのロケをこなせるのも、スポーツで鍛えた体が多いに役立っているのだろう。そういえば、放送作家とディレクターの違いは、夏になると良く分かる。会議室で、こんがりと日焼けしている人の大方がディレクターで、真っ白な青白い顔をしているのが放送作家だ。たまに、スポーツ万能の放送作家もいるが、そういう人はディレクターから転向したパターンだ。

   さて、文系素質が集まった業界が、なぜ縦社会なのか、話を元に戻そう。

   答えは、師弟制度。放送作家になりたいと思ったら、自分の好きな番組を多く手掛けている作家の門を叩くか、ハガキ職人でひたすら採用されるネタを書きつづけるか、局や大手プロダクションが開催している放送作家講座に通うところから始まる。そこで師匠、先輩作家に目をつけてもらい、仕事を廻してもらう方法が今でも一番有功な手段だ。

   私は、ある大御所作家の元でヒーヒー言っている身なのだが、そこにも絶えず放送作家志望がやってくる。熱い思いを胸にやってくるのは、20代前半から40代など年齢差はあるものの、人見知りや元引きこもり、現役ニートやフリーターなど、見るからに文系タイプの人たちばかりだ。彼らを前にして、師匠は「こんな仕事をしたいヤツは、オマエラみたいなダメ人間が多い」と言い、先制パンチを食らわしている。作家と言えば、制作の立場で最も先に切られる仕事なので、このぐらいでめげていてはとても仕事にならない。

   さらに、師匠が言ったことには絶対命令で従わなくてはならない。カラスは白いのだ!そしてたとえ自分が取ってきた仕事でも、師匠にマージンを取られるのは当たり前。以前、1万円のギャラをもらってきた弟子から、師匠が5000円差し引いたという話を聞いたことがある。つまり、それだけ師匠は絶対的存在で、逆らえないのだ。ちなみに、パワハラという単語も放送作家の辞書にはない。自分のことを覚えてもらうには、師匠にいじってもらうのが一番だからだ。ここでへこんでいては、ライバルも多く毎日が出来高レースの厳しい生存競争で戦っていけない。こうしてしごかれながら、若手作家たちは師匠の仕事術や話し方、身振りを真似て徐々に大胆に、そして弁が立つようになってくる。

   ん?では口下手な作家の人たちはどうやって、のし上がって来たのだろうか。

   きっと元々の才能の違いと、締め切りをキチンと守るマトモ人間の方々に違いない!

   そうです、放送作家全てが小生のようなダメ人間という訳では勿論ありませんので、あしからず・・・

踊るオサムン
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