観月ありさが浮き彫りにする「卑怯者」たち(斉藤さん)

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   スーパーでヘンな女の人を見た。食パンをかたっぱしからムギューッと押しつぶしている。柔らかさを確かめているのかと思ったが、全然別のパンを買っていった。何かの腹いせだったのだろうか。後ろで見ていた私は、せめて相手に聞こえるように、「ゲゲッ」とつぶやくくらいで。

   注意すべきだったかと後悔していたら、逆ギレされたら危ないからやめた方がいいと言われた。そういえば斉藤さんもジムへ通って、日夜カラダを鍛えている。きょう日、他人に文句を言おうとしたら戦闘態勢を整えてからでないとってことか。

   斉藤さん(観月ありさ)は、不正を許さない。間違っていることを間違っていると言わずにはいられない人。ドラマを見る前は、生真面目で空気の読めない人を描くコメディかと思っていたが、実際は、たった一人で悪と戦う、孤高のヒーローだった。

   ゴミ出しのルールを守らない人、犬のフンを片づけない飼い主、シルバーシートを占拠している若者たち・・・次々叱りまくる斉藤さんは凛々しくカッコイイ。

   それにしても、幼稚園児相手に暴れる高校生ってレベル低すぎだ。ガラスを割ったり、スプレーを人に吹きかけたりしたら、これはもう警察沙汰にしてもいいくらいなのに、それをしないのは、直すことができると信じているからなのだろう。そう、斉藤さんは、「責める」のではなく、「正そう」とするのだ。

   なのに仕返しが恐いからと、高校生たちよりも、戦っている斉藤さんを幼稚園から追い出そうとするママさんたち。唯一、味方してくれた真野さん(ミムラ)に胸が熱くなった。よかった、斉藤さんが一人ぼっちでなくて。と同時に、いろんなことに見て見ぬふりをしている自分も、ママさんたちと大して変わらないのかも・・・

   4話では幼稚園で起きた盗難事件がテーマ。子供の心を傷つけないようにと、うやむやのまま終らせようとする親たちに対し、悪いことをしたらゴメンナサイと謝らせることが大切と訴える斉藤さん。傷つきたくないのは親の方で、親の態度こそが子供たちの善悪の基準になっていくのだと考えさせられた。

   現実に斉藤さんみたいな人が身近にいたら、面倒くさいと思ってしまうのかもしれない。わかってもらえるよう伝えることは難しい。だからこそ、たとえドラマの中でも、正しいことを誰かが言い続けてほしいのだけど。

   ところで斉藤さんの夫が単身赴任という設定は、話をシンプルにするためだろうが、クリスマスの夜に帰ってきたダンナさんが、シルエットのみで顔が見えないって、恐すぎ。斉藤さんの家庭には重大な秘密が?! なんてよけいなこと考えちゃうよ。

文   ツキノ・ワグマ
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