護衛艦元艦長が語る「常識」とは? イージス艦事故
今朝(2月20日)の『とくダネ!』は、やはりトップニュースで、イージス艦『あたご』がマグロはえ縄漁船『清徳丸』に衝突した事故を続報した。
清徳丸に乗り組んでいた漁師の吉清治夫さん(58)と長男の哲大さん(23)の安否は依然として分からず、捜索が続けられているが、原因については、イージス艦側の「過失による発見の遅れ」が濃厚になってきている。
番組に生出演した是本信義・元海自護衛艦艦長も「(イージス艦乗組員の)緊張感の欠如と思う」と、後輩に対し手厳しい指摘をした。
何故、『あたご』は衝突予防ができなかったのか?見張りは、艦橋の両脇ウイングに各1人と、後甲板に1人。艦橋の中に当直士官や操舵員らがいて目視していた。
それにもかかわらず、右前方に漁船の緑色灯火を確認したのは衝突2分前だったという。そして『あたご』は、「全速後退」により減速するのだが、時すでに遅かった。
是本元艦長は「2分前では回避行動をとっても間にあわない」と、その原因を次のように解説した。
「一つは、あそこは毎日何千隻という船舶の出入りがあり、『魔の海域』と呼ばれている非常に難しい海域。それに朝の4時という、そろそろ明るくなる視界が見えにくい『魔の時間』。加えてハワイでの訓練を終え、やれやれという時間で、緊張感が欠如していたのではないか。指揮官は『あと少しだ。気を引き締めろ』というべき時間帯だった」
「30年間の経験から、今回の事故は考えられますか?」という小倉の質問に是本元艦長はこう付け加え、後輩を叱咤した。
「考えられません。一つ誤解されがちなのは、イージス艦は最新鋭の装備なのに何故という点です。ミサイルとか飛行機を撃ち落とす技術が最新鋭なのであって、艦を動かすのは有史いらい変わらない。最終的には船乗りとしてのスキル(技術)があったのかどうか」
また、タレントのデーブ・スペクターが「(水面上の小さな漁船は)レーダーに映る、映らないで情報が錯綜しています。はっきりさせたいのですが」と質問。
これに是本元艦長は「イージス艦の今の性能で、レーダーに映らないことはあり得ない。仮に、居眠りしていたか仲間と雑談していたならレーダーに映っても、情報としてあがってこない。となると気分の緩み、人災ですね」。