「朝ドラのヨン様」より青木崇高ヨ(ちりとてちん)

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   「ちりとてちん」って、最初、何かと思った。そうしたら江戸落語でいう「酢豆腐」のことだった。なあんだ、その話なら知ってた。通ぶる嫌なヤツをからかうお話。上方と江戸ではずいぶん違いがあるものだね。

   この「ちりとてちん」は、日頃NHK朝ドラを見なかった層にけっこう評判がいいみたい。視聴率はスタートこそ低調だったが、その後挽回、関西地区では20%超えを達成したようだ。いよいよ大詰め、最後は大きく盛り上がりそうだ。

   今までのヒロインは、ひたすら明るく前向き、小さな間違いはご愛嬌程度の優等生。お人形のように薄っぺらな人物像が多かった。おじさんおばさんが勝手に作ったありえない理想像で、見ていて実にしらけた。

   さすがにNHKも反省したか、フェイントを狙い、今度のヒロイン喜代美(貫地谷しほり)は何事にも後ろ向きで暗く、ウジウジした性格、ということになった。しかし、そこはやっぱりNHK、取り巻く人たちは家族、ご近所、友だち、みんないい人ばかりが盛りだくさん。

   まあ、暗いヒロインには家族も冷たく、誰も寄りつかず、ずーっと孤独に悲しく暮らしていました……では朝メシがまずくて食えないもんね。

   しかし、私が惹かれたのはヒロインより落語バカ4兄弟だ。徒然亭草若(渡瀬恒彦)一門の一番弟子草原(桂吉弥)、二番弟子草々(青木崇高)、三番弟子小草若(茂山宗彦)、四番弟子四草(加藤虎ノ介)。ヒロインの相手役青木はちょっと違うが、あとの3人はそれぞれのジャンルで芸を磨いてきた男たち。

   私の好みはモジャモジャ頭にツンツルテンの背広を着た青木崇高。青木出演の映画「銀色のシーズン」まで見に行ってしまった(主演でないせいか映画ではイマイチだった)。終盤にきてどんどん人気が上昇してきたのは四草の加藤。ニヒルで意地悪で「シュッとした」顔は特に中高年女性に受けているようで、四番弟子で名前に四がつくことから「朝ドラのヨン様」とも言われているとか。

   年齢に関係なく、弟子入りした順に兄、弟の関係が決まる徒弟制度の世界が新鮮。職場でも営業三課○○一門の○○兄さん、○○姉さんと呼び合ったら面白いかも、と例によってバカなことを考えてしまった。

   ※ちりとてちん(NHK総合 月~土曜日 8時15分・NHK衛星第2 月~土曜日 7時30分・デジタル衛星ハイビジョン 月~土曜日 7時30分・他に再放送)

文   カモノ・ハシ
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