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茨城通り魔8人死傷 みの「警官いながらなぜ」

   なんともやりきれない。「だれでも良かった。人を殺してみたかった」という通り魔事件がまた起こった。しかも、やったのは殺人容疑で指名手配中の男。多数の警察官が警戒・捜査にあたっている現場でのことだった。

どうしても分からない

   きのう(3月23日)11時過ぎJR常磐線荒川沖駅構内で、男が刃物を振り回して次々に通行人に切りつけ、1人が死亡、警官を含む7人が重軽傷を負った。男はその後、近くの交番からインターホンで土浦署に「わたしが犯人です」と告げ、駆けつけた同署員に逮捕された。

   男は茨城県土浦市内に住む無職、金川真大容疑者(24)で、19日朝同市内で72歳の男性を刺し殺した容疑で指名手配されていた。金川はいったん東京都内へ逃げていたが、22日に同署へ携帯電話で「早く捕まえてごらん」などといってきていた。発信地が荒川沖駅周辺と土浦市内だったため、この朝同駅には8人の警官が配置されて警戒していた。

   みのもんたは納まらない。「どうしても分からない。警察官はみな無線を持ってるんでしょう。どうして伝わらなかったのか。8人は何のために張っていたのか」と、同駅構内の図を示しながら、刺された被害者の位置と警戒中の警官の位置を追った。

   それによると、金川容疑者は改札口のある跨線橋を西側から駆け上がって、改札口付近で次々に7人を刺して東口へ走り抜け、階段を降りたところでまた1人を刺して逃走した。この最後の1人が死亡した。

   改札口前で刺されたなかに私服の警察官がいて、警察官は改札の内側にも1人、東口にも2人いた。みのがいうのは、警官が刺された時点で連絡していれば、最後の1人(死亡)は避けられたのではないか、ということだ。

   「なぜ防げなかったのか」とみのに問いつめられた元警視庁の田宮榮一も、「頭数ではなく、質の問題がある」と苦しい。「170人態勢といっても、事務職も交番勤務者も含めてのことですから。それに、全員が通信機材をもっていたのかどうか」

   杉尾秀哉も「8人もいながら…犯人が自分で交番にいかなければ、まだ次があったかもしれない」といった。

   弁護士の大澤孝征は「変装して戻ってきて、もう一回やるなんて思わなかった。逃げる犯人をつかまえるというだけの態勢だった」といったが、この指摘はおそらく正しい。地方の警察署には何十年にいちどの大事件で、犯人がまた事件を起こすなんて想定できなくても不思議ではない。そこを責めるのは、ちょっと酷な感なきにしもあらず。

   それでもみのは、「警察幹部は、残念至極といってますが、亡くなった方が浮かばれない」と。これもよくわかる。