「泣ける」詩で「愛」表現した長男 母に殺害される「やり切れなさ」

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   青森・八戸市で、30歳の母が9歳の長男を殺害した。理由はいまもって分からない。が、男の子が母を描いた詩が残っていた。土井晩翠にちなんだ「晩翠わかば賞」で昨2007年秋、佳作になった「おかあさん」だ。

しっかりして、という様な

   「おかあさんは どこでもふわふわ ほっぺはぷにょぷにょ……おかあさんは とってもやわらかい ぼくがさわったら あたたかい気もちいい ベッドになってくれる 」

   やさしい母に抱かれた男の子の幸せが、文にあふれている。母もいとおしいと抱きしめてくれたのだろうに。だが、その母は、電気コードで1人息子を絞め殺した。

   息子が通っていたのは、児童数がたった4人の小学校。この春には4人の新1年生が入る、とみな喜んでいたのだそうだ。母は送り迎えも授業参観もPTAも、きちんとしていた。ただ、ほかの親たち(といっても3人か)との会話は少なく、ひきこもりがちだったともいう。

   1人娘。高校を卒業して結婚したが、4、5年前に離婚。長男をつれて戻った実家では、祖父母と4人暮らしだった。人間関係の狭さ(人家もまばらなところ)、収入がなく将来への不安、などがいわれる。が、どれも息子を殺す理由にはならない。

   「この詩は佳作になったんですよね」と加藤浩次。

   テリー伊藤は「お母さんを支えていますよね。お母さんもっとしっかりして、という様な」

   ロバート・キャンベルは、「わたしも、祖父母と母と4人暮らしだった。8歳9歳というのは、それまで抱かれていたのが、抱きしめてあげたいと、ちょうど自分のアイデンティティーみたいなものが立ち上がる時期にあたる。お母さんが弱っているときに、こういう擬態語--ふわふわとかもちもちとかを使って、気にしているような気がする」

   冨田リカは「これだけ素直に書けるというのはあまりない。子の心親知らず。シングルマザーがふえているけど、子どもは親の所有物じゃないといいたい」

   「心中する勇気もなかった。母親に弱さがあった」とテリー。

   キャンベルも「2人分がんばっちゃったのかもしれない」と。

   この詩にこめられたものを、母は読みとることができなかったのだろう。なぜ殺したのかよりも、それがやり切れない。

文   ヤンヤン | 似顔絵 池田マコト
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