直球すぎよ!佐藤隆太 でも涙が出ちゃう(ROOKIES)

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   まさしく、直球、ド真ん中。ここまでストレートだと、シラけるか、どっぷり浸かって一緒に泣き、笑うしかない。で、私はというと、ほとんど毎回泣いている。

   放送時間が夜8時からというのは、時代劇は別だが、連ドラとしては今まであまりなかった。そこへ、人気コミック原作の熱い学園ドラマをもってきた。土曜の夜、親子で見られる新ドラマ枠を開拓していこうというTBSのやる気が感じられる。

   とはいえ、9時から日テレの「ごくせん」が控えてるし、熱血に次ぐ熱血2連チャンでは「見るほうも疲れるなァ」と思っていた。それに、高校生(それも2年生!)にしては役者たちがみんな結構な年なのも「どうだかなァ」って気がしてた。1番年上の桐谷健太は28歳で、教師役の佐藤隆太と同じ。しかも佐藤よりオッサンくさい。

   だが、見ているうちに、そんなことは気にならなくなってきた。みんな正攻法で力いっぱい演じている。特にエース安仁屋役の市原隼人は陰影を見せ、ドラマに奥行きを与えている。ひとまとめに高校生というよりは、個性を持った男たちの友情のドラマに引き込まれていった。

   国語教師、川藤(佐藤隆太)が赴任してきた二子玉川学園高校の野球部員は、どうしようもないワルばかり。試合中の不祥事で教師に裏切られて以来、すっかりやる気をなくし活動停止状態。

   部室の窓はふさがれ、昼なお暗く、野球道具の代わりに、ゲーム機だの、どこかからかっ払ってきたらしい看板だの、ありとあらゆるガラクタで埋まっている。生徒たちは授業にも出ずに部室にたむろし、煙草を吸ってはヤサグレている。落ちこぼれてしまった者どうしでツルんで引きこもることによってしか、自分の居場所を持てないのだ。

   しかし、仲間で楽しくやっているフリをしていても、内心は空しいことをお互いに痛いほど知っている。この辺り、不器用な若者の切なさが胸を打つ。

   部室を牛耳っているのは新庄(城田優)。デカいし、顔も濃いから迫力がある。新庄の支配に耐えきれなくなった御子柴(小出恵介)は、密かに川藤に部室の鍵を渡す。川藤はまず、部室からガラクタを運び出し、本来の姿に戻す。次いで荒れはてたグラウンドの草むしり。

   野球部員を全員退学にしようと企む校長(伊武雅刀)をはじめ、同僚の先生たちは冷ややか。当の野球部員たちは川藤をバカにし、さんざんからかう。しかし、川藤は何をされてもめげない。何日も徹夜してぶっ倒れても、黙々と草をむしり続ける。

   底抜けなまでに生徒を信じ続ける川藤の姿が、しだいに問題児たちの心を動かす。そして野球が大好きな少年だった頃の夢を思い出させてゆく。私は、彼らが1人また1人と練習に参加するようになっていくのを、川藤と一緒になって心から喜んでいる自分に気づく。

   登場人物がみんな聞いたことのある名前だと思ったら、阪神の選手から取ったらしい。今のところ1人だけまだ練習に加わっていない新庄、キミも早く参加しなよ。

ROOKIES TBS系 土曜夜7時56分~

文   カモノ・ハシ
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