米国でも雨乞い 地球の「水」に何が…

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   「命の水」である井戸水が塩辛くて飲めず、雑菌だらけの溜池の水をそのまま飲んでいるバングラデシュのデルタ地帯。海水が内陸奥深くまで浸透し、急速に拡大している地球温暖化の厳しい現実だ。

   今回は『シリーズ・水の危機』1回目として、急速に到来している「水が飲めなくなった」温暖化の現実を追った。

井戸が塩辛くて飲めない

   海抜1メートル以下が国土の5分の1を占めるバングラデシュ。海水の上昇で内陸100kmの地域まで海水が浸透、井戸水の塩分濃度は1%もあり、しょっぱくてとても飲めたものではない。住民はやむを得ず、雑菌が繁殖している溜池の水をそのまま飲んでいるが、病人続出という。

   「生きるためにはこうするしかないのです」という住民の悲痛な訴えが心に響く。

   背景にあるのは、地球温暖化でベンガル湾の海水が暖まり、海水が膨張して海面が上昇することとみられている。

   一方、アメリカ南東部のアラバマ州では3年越しの大干ばつでトウモロコシ畑が壊滅状態。隣のジョージア州でも庭の水やり、洗車は全面ご法度。知事が州議会で雨乞いの儀式を行う非常事態だ。

   このアメリカ南東部の干ばつは、4000km離れた赤道で暖められた海水が上昇気流となって熱帯地域に大雨を降らせたあと、乾いた空気となってアメリカ南東部に移動したためとみられている。

海面上昇の難民は1000万人?

   早すぎる地球温暖化の深刻な影響。『気候変動に関する政府間パネル(IPCC)』は、「2050年までに水危機に直面する人の数は30億人(現在の世界人口は65億人)に達する」と予測する。

   国谷キャスターが海面上昇の予測を質問すると、スタジオ出演した東京大学生産技術研究所の沖大幹教授は次のように答えた。

「IPCCの影響評価では今世紀末までに、少なく見積もっても18cmから59cmぐらい上昇すると見ています。その時の環境難民の総数は500万人から1000万人に及ぶと…」

   IPCCは、その水危機の地域として、アジアではガンジス・プラマプトラ(バングラデシュ)やゴダバリ(インド)、メコン(ベトナム)、長江(中国)の各デルタ地帯を挙げている。

   急速にやってきた地球温暖化の深刻な影響。IPCCは3年がかりで「第4次評価報告書」をまとめ、科学的判断データとして地球温暖化への対応を話し合う洞爺湖サミットに提出する。

   この科学的データは、前回の第3次評価報告書(2001年)よりも踏み込んだ厳しい内容となっており、各国の利害衝突で一向にはかどらない対策とのギャップはますます広がるばかり。

   洞爺湖サミットでの日本政府のリーダーシップに期待したい。

                       

モンブラン

<気候変動に関する政府間パネル(IPCC)>1988年に世界気象機関(WMO)と国連環境計画(UNEP)が設立した組織。3つの作業部会及び温室効果ガス目録に関するタスクフォースにより構成されている。第4次評価報告書は「積雪面積や極域の海氷が縮小。北極海の晩夏における海氷は、21世紀後半までにほぼ完全に消滅するとの予測もある」など、新見解が出されている。

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