中国への自衛隊機「派遣」 その計算と感情
2008.05.29 12:19
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町村官房長官が会見で述べたところによれば、「テントや毛布等を自衛隊機で中国の空港まで運んでもらいたい」という内容で、「中国側から異例の要請」(笠井信輔アナ)があった。自衛隊機が中国に飛ぶのは戦後初だという。
当然、中国内からは、賛否両方の声が上がる。「自衛隊が来るなんて想像できない」(反対)。「中国は本当に困っているんだ。メンツにこだわっている場合ではない」(賛成)。中国のジャーナリストはこう指摘する。「日本の援助をあてにするというより、日中両国の関係を発展させるいい機会だと捉えていると思う。今後の軍事交流を見すえたリハーサルではないか」。
小倉智昭「メディアはいっせいにこれが日中両国にとってプラスかマイナスかいろいろな見方をしています」。
岩上安身「災害救助に行ける環境、信頼関係が生まれていること自体、歓迎すべきことだ。自衛隊の存在が危険だとか、脅威だとみなさなくなってきたという、政治的なシンボリックな意味合いがある。…いろんな角度から意義深い」。
小倉「隣国の人たちが困っているのだから、やれることはやりましょうよ、という気持ちだと思う。行ったからすぐ、外交がどうだとか、思惑がどうだとかいう話にはしたくない」。
さまざまなスタンスからいろいろな意見が出て興味深い。それだけの『事件』ということであろう。だが、福田首相在任時だからこその派遣要請であるのは間違いない。
文
アレマ| 似顔絵 池田マコト