2024年 4月 19日 (金)

日本マグロ漁「全滅の危機」

   「もはや限界を超えている」と世界中が悲鳴を上げている。原油・穀物価格の高騰の影響で、あらゆるものが値上がり。なかでも家庭用バターに続いて、牛乳の品薄、そしてマグロまでが、食卓から消える恐れも……。

影響が出るかも

   『スパモニ』はそのマグロ刺身が「食べられなくなる」問題を取り上げた。

   国内外の遠洋マグロ漁業者が加盟している『責任あるまぐろ漁業推進機構』が5月26日声明を出した。

   その内容は「多くの遠洋まぐろ延縄漁業者の操業継続が著しく困難な状況となっている。遺憾ながら天然刺身まぐろの供給が減少することについて消費者のご理解を願いたい」というもの。

   この「お願い」は、マグロの消費者価格アップを図るために、遠洋まぐろ延縄漁業者の一部休漁について理解を求めたのだ。

   同機構が訴える窮状とは、原油高騰に伴う燃料費のアップである。漁船にかかる1日当たりの経費のうち燃料費が占める割合は、1996年11.9%だったのが、2008年5月は43.4%に跳ね上がっている。

   操業に出れば、1日当たり10万円ずつ赤字が積み上がっていく現状で、このままでは年間4000万円の赤字。「今の状況では日本のマグロ漁は全滅してしまう」と悲鳴をあげている。

   でも、なぜ休漁なのか? 理由はこうだ。まぐろの値段を決めるのは流通業者。生産者である漁業者は、価格に直接、関与はできない。燃料費高騰を価格に反映できるのは、供給を減らすしかない。

   そこで選んだのが今回の休漁措置。すでに韓国、台湾、中国で、計140隻が休漁中といい、世界全体で約3割が休漁する見通しという。

   赤江キャスターは「残念ながら店頭価格にも影響が出るかもしれませんねん~」にジャーナリストの大谷が呼応して「原油高騰の影響があらゆるところで出ていますネ~」。

   確かに、今や世界中が大混乱だ。フランスでは漁民が漁港を封鎖し抗議デモ。抗議デモは、スペイン、イタリア、ポルトガルの漁民に波及しそうだ雲行きだ。

   今朝(30日)の新聞報道によると、英国のブラウン首相は「洞爺湖サミットの経済議題のトップは原油高騰による影響への対策にすべきだ」との発言を伝えている。

   地球温暖化も大事だが、いまや足元に火がついているこの問題を放置できないことも確かだ。

文   モンブラン| 似顔絵 池田マコト
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