2024年 4月 25日 (木)

ノルウェーの「クラスター」外交力 日本に真似できるか

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米露中の不参加と抑止効果

   ドイツに対しては技術立国のプライドをくすぐる作戦に出る。「例外の基準を厳しくしてもクリアできるだろう」と迫ったのだ。頑固なドイツも協力姿勢に転ずる。残るイギリスには接触を避け、孤立させようと図る。したたかと言うか、巧みというか。やがて、イギリスのブラウン首相が、「クラスター爆弾の使用をすべて中止する」と発表して条約の採択は確実になる。態度を明らかにしなかった日本も賛成に回った。

   審議官は「小国が国際社会と渡り合って行くには、外交に変わる武器はありません。相手を根気よく説得し、共通する利害を見出すことが重要です」と語る。

   こうして、参加111か国、その保有するクラスター爆弾の99%が禁止される条約が結ばれはしたが、最初から参加していないアメリカ、ロシア、中国などが世界のクラスター爆弾の70%を保有している現実がある。

   「条約がまとまったことで、大量に保有する国に使用を思いとどまらせる効果があるのではと期待されている」(国谷裕子キャスター)というが、果たしてどうか。

   番組を重層的に見せようとするあまりか、審議官、外相、ゲストのコメントにややダブリ感のあるのが気になった。

アレマ

<メモ:クラスター爆弾>
   多数の『子爆弾』を飛散させて広範囲を破壊する空対地爆弾。セルビア紛争では29万発が投下され、10%が不発弾として残ったといわれる。禁止条約では、子爆弾が10個未満のもの、軍事目標を正確にとらえる機能を備えるもの、自爆装置など最新の機能がついたもの、が例外とされた。

   *NHK「クローズアップ現代」2008年6月5日放送

文   アレマ
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