「日本」は売られるのか 海外投資家の不満

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   日本の企業は「株主に背を向けている」という不信感から、海外投資家の日本離れが加速しそうな動きが起きているという。

   2007年8月のサブプライム・ショックからもうじき1年なのに、原油高騰が加わって日本の株価は不安定な値動きが続いている。

インドや中国へ移し替え

   しかも、東京市場は、「震源地」のニューヨークやロンドン市場よりもはるかに値下がり幅が大きく、回復力も極めて鈍いという。

   このギャップの背景にあるのが、東京株式市場の売買金額の6割を占める海外投資家の日本離れ。インドや中国などの新興優良企業へ資金を移し替える動きが強まっている。

   番組が、欧米投資家に日本企業の閉鎖性を強く印象づけたと指摘したのは、米投資ファンド「スティール・パートナーズ」が仕掛けた敵対的買収に対し、ブルドックソースが発動した買収防衛策だという。

   スティール以外の株主に新しい株式を割り当て、スティールの買収を阻止したのである。欧米メディアは「株主公平の原則に反する」と、一斉に批判した。

「閉鎖」に嫌気

   また、日本企業78社に投資している米投資運用会社の「ダルトン・インベストメント」のジョージ・ロブリーも閉鎖的な日本企業に辟易している1人。

   ロブリーは「日本人の経営者に意見交換を呼びかけても会うことすら拒否する。投資家に会いたくない企業はそもそも上場すべきでない」と、憤慨する。

   こうして閉鎖的な日本企業に嫌気がさす投資家が急増する一方、「改革開放を!」と訴える海外投資家も出ている。

   英大手資産運用会社の『ハーミーズ』の幹部が来日し5月15日、日本企業に改革を迫る異例の記者会見を行った。その席で、米大手機関投資家のカルパースら6社が名を連ねた提言書が配られた。

   それによると、日本企業は株主ではなく、経営者のものになっているとしたうえで(1)買収防衛策が経営者の保身に使われている(2)社外取締役が少ないため外部のチェックが働かない―とし、改善しなければ、海外投資家は日本企業を見放すだろう、と警告した。

   グローバル化した経済のなかで、公正な競争を阻害しない限り国際M&Aは必然的な流れといわれている。

   ところが、いざ「黒船」となると慌てふためき、もはや「遺物」とばかり思っていた株式持ち合いの復活だ。

   キャスターの国谷裕子は「海外の動きにどういうふうに向き合えばいいのでしょうか?」との問いに経産省の「企業価値向上のための研究会」委員をしている東大教授の柳川範之准教授は次のように指摘する。

   「逃げずに海外投資家に十分説明、説得する。でないと、資金も、人も情報も集まらなくなり、日本の地位はますます低下しますよ」。

モンブラン

*NHKクローズアップ現代(2008年6月9日放送)

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