2018年 7月 22日 (日)

お隣さんとお祭りだ 日本に根付くか?

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   いま、孤独と不安にさいなまれる現代人が「隣人祭り」なる一大ムーブメントに飛びついているそうだ。筆者は寡聞にして知らなかったが、国谷裕子キャスターが教えてくれるには、すでに29の国と地域、1000の都市800万人が参加するオリンピック級のイベントになってるらしい。

   それにしても「隣人」という堅苦しい二字熟語と、「祭り」のエエじゃないか的ユーフォリア(高揚感)のミスマッチが気になるが、語源はフランス語で「la fete des voisins」だという。まあ直訳のようだ。

ご近所パワーの復権なのか

   さて、この祭りの起源は――9年前のフランス・パリである。サッカー日本代表の元監督にちょっと似たフランス人のアタナーズ・ペリファンが、当時住んでいたというアパートを背景に原点を振り返る。

   きっかけは、このアパートで隣人だった70歳の女性が亡くなり、それに2か月間誰も気付かなかったことだ。いわゆる老人の「孤独死」は日本でもよく聞く話ではあるが、遺体の発見者となったペリファンは大きなショックを受けた。こんなことではいけないと思い立ち、隣人との交流を深めんと、アパートの中庭でともに食事をしようと、と入居者に呼びかけた。最初は誰も参加しなかったが、やがて1人2人と参加者があり、フランス→ヨーロッパ→世界へと広まった。

   現在の「隣人祭り」の正式フォーマットはこうである。5月の第4火曜日に隣人同士がめいめい食べ物や飲み物を持ちより、談笑する――と、一人暮しのおばあさんを近所の人が訪問するようになり、買い物の手伝いをしたり、子供の面倒を互いに見合ったりといったご近所パワーの増強効果があるそうだ。

   今年、日本でもはじめて隣人祭りがひっそりと行われていたらしい。番組が密着した例では、新宿のマンションの管理組合の理事長が呼びかけて、公園で食事会をした。その席で自転車置き場の放置自転車が話題になり、改善しようという動きにつながったという。

   これからはひょっとしたら国内でも「隣人祭り」が普及していくかもだ。ただ、名は体を表すというが――番組の好意的な扱い方のなかでも――日本の輸入版「隣人祭り」がどうにもぎこちなく、儀式的に見えたことは記しておきたい。

ボンド柳生

*NHKクローズアップ現代(2008年6月17日放送)

文   ボンド柳生
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