「舞妓卒」の女の子 「大人」な理由

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   先日、ロケであっついあっつい夏の京都へ行ってきた。「盆地の夏の京都にこぞって人が来たがるのかが、ようわからん。あほちゃうか?」とは近隣関西人の言葉。普段室内でこもって仕事をしている私。長時間外にいるだけでも疲れ、厳しい日差しに想像以上に体力を奪われ、もうぐったりだった。

   しかし、もっと暑い夏と闘っている人たちがいる。それは舞妓さん。

   まっ昼間にも関わらず正装で、気温30度を超すなか文句ひとつ言わずに撮影に協力してくれた。うなじや額に汗がにじみ、こまめに汗を拭き拭き、祇園・花見小路をあちこち歩きまわってもらったのだが、さぞかし暑かったことと思う。

   しっかし、それにしても、かわいい。彼女たちと話していると、こちらまで元気になってくる愛らしさがある。おどけて見せたり、カメラマンにカメラを持たせてもらったりで、男性スタッフは全員メロメロだった。

   撮影も終わり、甘味処でちょっと一息。かき氷をほおばる姿は、舞妓の顔とそしてティーンエイジャーの顔、両方をのぞかせる。いいなぁ、いいなぁ、やはり絵になる。

   しかし、20歳で舞妓を卒業すると、芸妓になる人は3分の1に減るのだそうだ。舞妓にはあこがれるが、芸をそこまで究めたくない! という人も多いらしく、大検を受けて大学にいく女性も多いんだとか。芸妓への強制もないので、本人次第なんだそうだ。

   かき氷をほおばる舞妓さんを背に、世話をしていただいた『お母さん』が教えてくれた。なるほど。確かに一理ある。トップに君臨するような男たちを少女時代から見てきた彼女たち。20歳前に男を見る目、いい女、そして帝王学的な感覚が身についているであろう舞子はん。高校に行かず修業をし、その後大学に入って社会に巣立つ。これは、女の生き方としても賢い手段かもしれない。

   そんなことを考えながら、彼女たちと話をしていると、別の取材相手が現れた。どうやら東京の出版社らしい。打ち合わせは『お母さん』の仕事。何やら、写真撮影の話をしている。すると、『お母さん』、舞妓さんたちにあいさつをさせた後、彼女たちにこう告げた。

「ほら、舞妓ちゃんも何か召し上がんなさいな」

   えぇ? 今さっきデッカイかき氷食べたばっかりじゃん! 朝ごはんも食べずにロケに行かされて、かき氷が最初の食事なんてかわいそうね、と私たちに視線を向けながら言った『お母さん』。その彼女が、舞妓さんに甘味を勧めている。目的は、取材相手に舞妓の日常風景や、可愛らしさを見せることだろうか? 舞妓さんたちは戸惑いながらも、抹茶ゼリーを注文した。

   こんなんじゃ、舞妓ちゃん体壊しますぜ、『お母さん』。

   仕事とはいえ、すごいなぁ。10代でこんなに分別を仕込まれるなんて……

   感心するとともに、やはり実社会に出てきたら、活躍する女性は多いんだろうなと、改めて強く思った。

踊るオサムン
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