国谷キャスターが放った 「退陣」首相への一言

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   福田首相の突然の辞任表明を受けて、今回のクローズアップ現代は「何が総理を追い込んでいったのか」(国谷裕子キャスター)と辞任の真相を追究した。

1か月前 それなりの意欲を見せていた

   なにしろ福田首相は四面楚歌だった。野党が参議院で過半数を占める厳しい国会運営。辞任会見でも非協力な民主党への『恨み節』が聞かれた。されに身内の自民党からも「何を考えてるのか」「首相は何も発信しない」など公然と批判される。もっと言うまでもないが、致命的なものに、国民からの支持の「高さ」も挙げられるだろう。

   しかし、これらは今に始まったことでもない。首相周辺が明かすところでは、1か月前の内閣改造時、福田首相は政策実現にそれなりに意欲を見せていた。この1か月間で目立ったのは、連立を組む公明党との軋轢(あつれき)だったという。

   記者によれば、一番大きな違いは解散総選挙をめぐる考え方である。公明党は来年の都議会選までにできるだけ長く間を取りたい。そこで年末・年始、つまり早期の解散を希望。しかし首相は政策課題を実現しながら、タイミングを見計らっての解散を考えていた。

「国民を無視した決断ではないか」

   秋の臨時国会の時期や会期をめぐっても対立。首相はインド洋での自衛隊の給油活動継続を重要課題として捉え、早く開会し、会期も法案の衆院再可決もにらんで長く取りたかったのだが、再可決を前提にしたくない公明党は反対した。

   経済政策では定額減税を求める公明党に対して、首相は財政の負担増を嫌い、難色を示していた。しかし押し切られ、総合経済対策に盛り込まれた。「もっと公明党らしさを発揮しなさい、言うべきことを言ってくれ、という声は非常に強くて、私も反省すべき点が多々あった」(太田代表)という公明党が実力行使にでてきたらしいのだ。

   「たしかに公明党の存在感が高まってるという印象があります。身内に首相を支える姿勢がもっとあれば、辞任には至らなかったのかもしれないですが――」と国谷キャスター。

   最後の引き金を引いたのは公明党だったと、言わないが言いたそうな、わかりやすい展開ではある。ただ、珍しく強い調子で意見する国谷キャスターの矛先は最後、首相自身に向かった。「問題、対立を乗り越えていくのがリーダー。突然放り投げるのは、国民を無視した決断ではないか」

ボンド柳生

NHKクローズアップ現代(2008年9月2日放送)

文   ボンド柳生
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