2024年 4月 16日 (火)

「インクレディブル・ハルク」

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(C) 2008 MVLFFLLC. TM & (C) 2008 Marvel Entertainment. All Rights Reserved.
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   <インクレディブル・ハルク>ハルクが新しく生まれ変わった。2003年にアン・リー監督によって映画化されたものとはまったくの別物である。

   ハルクとは、軍のとある実験中に科学者のブルース・バナーが大量のガンマ線を浴びたことにより出現してしまった緑色の怪物である。普段は普通の人間だが、激しい感情の変化によってハルクへと変貌する。あまりこのキャラクターに馴染みが無いと、まずこのハルク誕生の過程が気になる人もいるだろう。

   しかしそういったシーンは映画が始まって5分ほどで終わってしまう。描いたというよりも説明しただけに近いのだが、しかし本作の見所はそこではない。誕生過程よりも、ハルクへと変貌する体になってしまった主人公=ブルース・バナーの苦悩と葛藤の人間ドラマこそが本作の見所である。

   最近のアメコミ作品の主人公はみな悩みを抱えているが、なかでもこの「ハルク」のブルースはとくに悩みが深い。生身であれば軍事機密を知っているために軍から追われ、超人化すれば感情が制御できなくなり暴走する。ハルクは正義感を背負っているわけでもないので、ヒーローとはほど遠い存在だ。

   でも、だからこそ一番感情移入しやすいキャラクターである。しかも苦悩と葛藤を抱えたブルースを演じているのは、当代きっての演技派エドワード・ノートン。彼が演じることで、ブルースの苦しみや怒りといった一つ一つの感情がひしひしと伝わってくる。

   またブルースがどんなときでも守り抜こうとする恋人のベティ(リブ・タイラー)とのラブ・ストーリーも丁寧に描かれていて十分に見応えがある。アクションもバトルシーンや追跡劇など迫力があって引き込まれるのだが、やはりこの作品はドラマ部分に注目すべきだろう。

   おもしろいのは最後にサプライズ・ゲストが登場することだ。もうすぐ公開する「アイアン・マン」のトニー・スタークである。もしかしたらこの先アメコミ・ヒーロー同士がコラボレーションするのでは? という期待を抱かせる形で登場するので「アイアン・マン」が公開する前にこちらをチェックしていただきたい。

ジャナ専 巴麻衣

   オススメ度:☆☆☆


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日本ジャーナリスト専門学校
通称ジャナ専。東京都豊島区高田にあるマスコミの専門学校。1974年の開校以来、マスコミ各界へ多くの人材を供給し続けている。

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