2024年 4月 16日 (火)

日本のバブル期との違いは「スピード」

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   番組冒頭、国谷裕子キャスターが前日15日に経営破綻したリーマン・ブラザーズに触れる。今回のタイトルは「行き詰まった証券化ビジネス」であり、そのままリーマンを取り上げそうな気配なので、この番組的にはずいぶん素早い対応だなと思ったものだった。

   だが、実際に放送を見てみると、メインは8月に負債額大型倒産した広島の不動産会社「アーバンコーポレイション」だった。もともとの企画を急遽一部変更して、ところどころにリーマンの名を織り込んだようだ。そのせいか、全体的にはなんだか不自然な構成に感じたが、アーバンコーポレイションがなぜ倒産したかという本筋に限れば、話はわりと明解だった。

「資金、急激にとまった」

   番組によれば、アーバンという会社は海外マネーを積極的に取り込むことで急成長したんだそうである。海外の金融機関(リーマンは直接は含まれていなかったようだ)からノンリコースローンでカネをどんどん調達する。金融機関はそのローンを小口に証券化し、世界中の投資家がそれを買う。そうして出来上がった不動産物件は海外のファンドに売却するビジネスモデルだった。

   それが米サブプライム問題、不動産バブルの崩壊の影響で一挙に狂ってしまった。融資がとまってしまったのだ。しかし専門家が言うには、日本の不動産は割安で、海外からは今なお魅力的な投資対象に映っているという。それならば、米国の不良不動産のかわりに日本への投資が増えても良さそうなものだが、今後は日本の不動産(会社)にも悪影響ばかりが懸念されるのだという。番組がその理由に詳しく言及しなかったのでよくわからないが、たぶん海外の金融機関や投資家は金力を失ってしまったし、不動産には危険もあることにやっと気付いて、怖じ気づいたのだろう。

   「海外のマーケットにすごく左右されて、資金も急激にとまってしまった」と同社役員は敗因を振り返った。日本のバブル期との違いは「スピード」だそうである。昔から変わらないのは、バブルは終わるまでわからないが必ず定期的にやってくるということ、急成長した会社は潰れるのも早いという凡庸な経験則だろうか。

ボンド柳生

   <メモ:ノンリコースローン>非そ及型の融資方法。普通の融資のように企業に貸し付けるのではなく、特定の事業を対象にする。返済は、特定事業の収益からに限られる。

   *NHKクローズアップ現代(2008年9月16日放送)

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