「自分の家族だったらどうするか」 ある医者のこだわり

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   手術というと、おなかを切り患部に処置を施すことだという思いこみが強かった。だが、世の中にはいろいろな手術法が存在するものだ。たとえば、今回の「プロフェッショナル 仕事の流儀」ゲスト、工藤進英の専門分野『内視鏡治療』。大腸ガンに効果的な治療で、切開せずに患部を取り除くことができる。

   内視鏡という、胃カメラを親指大ほどに太くした管を大腸まで通し、カメラの映像をもとに先端の微妙な動きを調整しつつ患部まで到達させる。患部に生理食塩水注射をし、膨らませる。そこに内視鏡先端から出たワイヤーを巻き付け、高圧電流でそれを焼き切る。大腸には知覚神経がないため痛みは感じない。

   工藤は内視鏡操作が他の医師よりも圧倒的に上手い。複雑に屈折する大腸の中を1.5m進むのにかかる時間は一般に20分。そこを工藤は5分ですませる。内視鏡手術にいち早く注目し、機器の設計にまで関わってきたという男ならではの技だろう。

   彼の仕事の流儀は「命を救うだけじゃない。その後の人生も、救う」。ガンは早期発見が重要とよく言われるが、それほど進行したガンの治療は気力・体力を使う。だからこそ、進行の進まないうちにガンを見つけ出し、体に負担のかかりにくい内視鏡で治療を行う。早期発見の大腸ガンが完治する確率はほぼ100%だそうだ。

   「自分の家族だったらどうするかって、まずそうなったら自分の全知全能を介して一番いい方法でやってやろうって思うじゃないですか。常に患者さんを自分の家族だと思って対応するっていう」

   医者の仕事=病気の治療。これは当たり前だ。しかし病気は心にも転移することもあるだろう。その心を読みながら治療を行うことこそ、これからの医療のあり方なのか。

慶応大学 がくちゃん

   *NHKプロフェッショナル 仕事の流儀(2008年9月16日放送)

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