2024年 4月 23日 (火)

自信過剰のKY女 どこまで成長するかしら

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   <上海タイフーン>いきなり「2011年春 上海」のシーンから始まったのでビックリ。あれ、未来の話だったの? と面食らっていたら、間もなく回想の「2007年春 東京」に戻った。

   それにしても、上海ってすごいのね。高層ビルの数は上海だけで日本全体の数より多いそうだし、時速400キロ以上のリニアモーターカーは走ってるし。映像を見ているだけで目がまわりそう。

   この活気に溢れた大都会で身を立てようと、東京からやってきたのは32歳の美鈴(木村多江)。年齢を気にしすぎかもしれないが、実年齢37歳の木村は32歳というにはちょっと苦しい。何も32歳じゃなくてよかったんじゃない? 35歳くらいにしとけば? さらに母親が原日出子というのも不自然。姉妹にしか見えないんだけど。

   第1回で描かれるヒロインは思いっきりイヤなヤツだ。アパレル会社のやり手(と本人が思っているだけか)営業主任である美鈴は、「仕事ができない」部下を頭ごなしに叱りつけるわ、ブツクサ言いながら出張した上海で若手投資家・曹飛(ピーター・ホー)と衝突するわ……。

   中国で投資を受けて中国で生産し、中国で売ろうというのなら、曹飛の言うとおり中国人の好みに合わせるのは当然だ。だが美鈴は、上司が曹飛の側に立ったのに怒って会社を辞めてしまう。それからが大変。簡単に仕事が見つかるつもりだったが、現実は厳しい。なまじ前職をアピールすれば、「そういう人が扱いにくいんです」と露骨に断られる。

   おまけに6年越しの恋人・信二(細川茂樹)にも振られてしまう。言い草はお決まりの「君は強い女だ」。まさに泣きっ面にハチ。しかし、この凡庸な男も男だが、美鈴にも同情心はまったく起きない。

   故郷にも居場所はなく、「よーし、リベンジだ」と上海にやってきたというわけ。住まい探しからつまずき、結局、不動産屋で働く麻里(MEGUMI)の部屋に押しかけ居候。この辺が図々しい。麻里も、生き馬の目を抜く上海で生きているにしては人がいいね。

   麻里の住まいのある一帯は、高層ビルの谷間に残った租界(外国が権益を持った土地。第2次大戦中まであった)時代の長屋。ちょっと横道にそれるが、この風景は私のお気に入り中国ドラマ「上海グランド」にもよく出てくる。ちなみに主人公を演じている黄暁明(ホァン・シャオミン)は「中国一のいい男」と言われているだけのことはある。いわゆる「男が惚れる」タイプで、高倉健に似てる。

   ともあれ、自信過剰のKY女、ガケっぷち美鈴の物語がこうして始まった。カルチャーギャップを体当たりで乗り越え、長屋の人情にふれながら成長していく様子が楽しみだ。第2回ではまだまだ光は見えないが、全6回が終わる頃にはどんないい女になっているのだろう。イケメン投資家の曹飛との間にロマンスは芽生えるのか?

 

カモノ・ハシ

 
文   カモノ・ハシ
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