30代女性が住んでた 「スゲー」マンション

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   「どーあがいたって、所詮1億よ」

   久しぶりにこの言葉を思い出した。

   会議終了後、某局の喫煙所で先輩作家が放った一言。

   「いっくら頑張ったところで、この業界で儲けようと思ったら、年収1億円どまりだよ。本とか書いて印税入ガボガボじゃない限り、それ以上は難しいね」

   1億円だってすごいじゃないのさ! と思いつつ、タバコをぷかり。

   「世の中にはさ、預金を他の銀行に移すって言ったら、そんなことしたら支店が潰れるからやめてくれ! て銀行から泣かれる人もいるらしいよ」

   へえ~、そんな人もいるんだねぇ、世の中には。とても日本の話とは思えない。

   「男のオレにはムリだ。女の作家にはまだ可能性あるかもよ! ハイパー金持ちとばっかりのインタビュー番組作ってさ。んで、その時に全身全霊で色仕掛け。そんでさ、結婚しちゃったりできるんじゃない? ってムリ? ギャハハ~」

   こんなアホな会話を、久し振りに思い出したのにはワケがある。

   今まで足を踏み入れたことがないような、超高級な場所に行ってきたのだ。

   ついにハイパー金持ちの彼氏ゲットか? いやいや、仕事です。

   超高級な場所とは、取材相手の自宅マンション。

   先方曰く「自宅なので、あまり多人数で来られると困るかな~」

   確かに自宅では、収容人数も限られるだろうと思いながら、お宅を訪問するために、ネットで地図を検索。

   んで、口をあんぐり。マンションの中古物件や賃貸情報が出てくるわ、出てくるわ! 賤しいながらも見てみると、中古で1億7000万円。2LDKでひと月の賃貸料が60万円! 絶句! 金融破綻、不動産暴落でも、関係ないのだろうか?

   そして取材当日。再びの口あんぐり。

   都心に進出した外資系高級ホテル並みのエントランス! 高級と名がつく場所にお決まりの、あの薄暗い照明。そして、床はどこもかしこもふっかふかの絨毯。

   あまりにも広い敷地内で、迷子になりながら、目的の一室へ到着。

   そして3度目の口あんぐり。

   これって狭いって言うんでしょうか? とにかく広い! リビングダイニングだけで20畳はある。取材相手の30代前半の可愛らしい女性に聞き返したくなったのを、胸の中に仕舞い込んだ。

   あ~驚いた! 価値観の違いに戸惑いながらも、無事にお仕事終了。

   別れを告げ、ハイヒールカタカタ、冷たい風にガタガタ震えながら駅まで歩く。その時に、ボ~っと頭の中に浮かんだのが、先輩作家のあの一言。

   確かに、1億円プレーヤーにあのマンションは買えない。世の中にはとんでもないお金持ちがいるもんだ。それに比べ、マスコミ業界なんて成金の小金持ちばかりじゃなかろうか。小金持ちが知ったかぶりな顔して、世の中を動かしていると思い込んでいるのかも。

   それならば……所詮1億だ。これからは、仕事で血眼になるよりも、二桁億稼ぐような逸材探しに血眼になってみようとさえ思えてきたりする。

モジョっこ

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