2024年 4月 26日 (金)

日本会社員は甘えてるのか 阿部サダヲがえぐり出す

   <OLにっぽん>あの「ハケンの品格」の時間枠で、脚本も同じ中園ミホ。期待にたがわず面白い。エンターテインメントとして楽しませながら、鋭い批判になっている。OLだけでなく、これを見て首の辺りにヒヤリ、秋風を感じてしまうサラリーマンも少なくないのでは?

   東慶商事の総務課社員・神崎島子(観月ありさ)は中国にアウトソーシングの視察に出張する。この現場の風景が圧巻。広い部屋に同じ方向を向いたコンピューターが隙間なくズラリと並び、その前に座った若い女性たちが一心にキーをたたいている。その早さといったら!

「日本語の壁に守られてきた」

   会社に帰った島子を待っていたのは、総務課の仕事を中国に移管する計画だった。すでに人事部や経理部では業務の半分が移されているのだ。でもまさか、「会社の中枢」である総務の仕事が外部委託されるとは! 課長の朝比奈国彦(東幹久)に衝撃が走る。しかし、コテコテ関西弁の部長・富士田弥生(浅野ゆう子)は容赦ない。

   総務のような仕事をしたことがないので、具体的に何をどう委託できるのか私にはよくわからない。素人感覚では、総務課とは会社の全体を見渡し、重要な情報を日々管理するところか。そんな日常に密着した業務が遠く離れた中国でできるのか? しかも当然のことながら、すべて日本語である。

   だが、請負側中国企業のマネージャー・小旗健太(阿部サダヲ)は日本人社員に厳しい。「あなた方はいままで日本語の壁に守られてきた。しかし同じ漢字を使う中国人にとっては、その壁も大した障害ではない」「そのダラダラした勤務でもらうあなた方の給料で、何人の勤勉な中国人が雇えると思いますか」

   「ハケンの品格」では主人公の派遣OL・春子に言わせていたホンネを、ここでは小旗に言わせている。小旗は島子たちから反感をこめて「チビ太」と呼ばれているが、鋭いセリフのためか、けっこうカッコいい。さすが、阿部サダヲ。ついでに言えば、カンフーアクションもなかなかキレがいい。

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