2018年 7月 23日 (月)

「オイルマネー」日中韓争奪戦 日本の現状は…

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   「今夜は中東のオイルマネー獲得に向けた日本の戦略です」と例の早口で、国谷裕子キャスターが切りだす。彼女によると、投資されているオイルマネーは200兆円を超えるという。それらの中東マネーは、これまで欧米の企業や不動産に向けられていたが、金融危機の影響を受けて見直しが行われていると、番組は伝える。

脱石油に多額投資

   スタジオゲストの糠谷英輝・国際通貨研究所主任研究員は「いつかは枯れる石油の後の産業を育成したいこと、もう1つは、人口増がつづく中東諸国が、国民に就業機会を提供したいこと」と、見直しの背景を述べる。

   番組は、中東有数の産油国、アブダビの取り組みを見せる。7年後の完成を目指す「マスダール計画」だ。2兆2000億円を投じて4万人が暮らす新たな都市を開発しようとするこの計画は、脱石油プロジェクトでもある。エネルギーは風力や太陽光などで賄い、石油は1滴も使わない。

   アブダビの政府系ファンド幹部は「石油に代わるエネルギーのあらゆる技術を進歩させ、その技術を商品化して、アブダビが将来にわたって世界のエネルギー消費を支える地位を築きあげるため」と、計画の狙いを語る。遠大で、したたかな発想なのだ。

   そうなると、高度な環境技術を持つ日本にとっては大きなチャンス到来といえる。事実、中東からも熱い視線を注がれている。アブダビに乗り込んだ東工大教授と三井造船などの企業連合チームは、太陽光パネルの2倍以上の発電能力を持つ技術を売り込み、とりあえず、5億円の開発資金を引き出すことに成功する。

「1社で向き合うのは厳しい」

   また、今2008年10月30日には、カタールから副首相らの一行が訪日し、国際協力銀行との間に、同行が窓口となって紹介する日本の先端技術に投資する合意契約を結んだ。副首相は「私たちはお互いによく理解している。信頼できるからこそ、共同で事業を行いたいと考えた」と笑顔をみせる。今のところは、相思相愛関係でうまく行っているようではある。が、「最近は中国、韓国が、かなりの量の石油を中東から輸入し、政府サイドで積極的な工作を進めている」(糠谷)らしく、日本は出遅れ感があるという。ライバルは手強い。競争力が試されるときだろう。

   国谷から、日本が投資を獲得するしくみづくりについて問われた糠谷は、「1社で向き合うのは厳しい」とし、「たとえば、環境技術の企業を集めてファンドをつくり、中東から投資してもらうとか、ジョイントベンチャーで進出し、中東マネーを取り込んで共同でやることが考えられる」と答えた。

   「マスダール計画」に投じられる額は、定額給付金の予算とあまり違わない。どうせ使うなら、雇用機会を増やすような壮大なプランを編み出してほしい、という思いに強くかられた。

アレマ

   * NHKクローズアップ現代(2008年12月1日放送)

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