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麻生首相が「実績」 アノ独法「廃止という名の温存」

   <テレビウォッチ>麻生首相のリーダーシップの欠如がまた露呈したと、番組が取り上げたのが、無駄遣いのシンボルといわれる独立行政法人「雇用・能力開発機構」の廃止問題。

道筋が決まっていたのに

   奮闘してきた過去2代の行革担当相が手渡した「タスキ」をうまく繋げなかった甘利現行革担当相はともかく、麻生首相への批判が火を噴いた。

   舛添厚労相と甘利行革担当相が12月10日、合意した内容は「雇用・能力開発機構」を廃止、業務の大部分を厚労省所管の独立法人「高齢・障害者用支援機構」に統合させること。

   このうち、失業者向けの職業訓練を行う「職業能力開発促進センター」(全国に61か所)と高卒者対象のものづくりの人材を育成する「職業能力開発大学校・短大」(全国に22か所)は、業務のほとんどを「高齢・障害者用支援機構」に統合。都道府県の希望があれば移管する。

   職業訓練の指導者を養成する「職業能力開発総合大学」は存続させる意向。

   580億円の巨費を投じながら毎年10億円の赤字を続けている「私の仕事館」は2年後の2010年8月に廃止する、などというもの。

   この合意内容について、「完全廃止」を目指してきた渡辺元行革担当相は「最悪、統合ということですから、看板も掛け替えずに、天下りポストも権限もそっくりそのまま温存。先の『緑資源機構』の廃止より悪い」と、悔しさもあってか一刀両断に斬り捨てた。

   次に「タスキ」を受け継いだ茂木前行革担当相は「3歩前進していたのが2歩後退、結果的に1歩前進したかな」と。

   で、甘利現行革担当相は、10日の記者会見で「統合先としてはこれ以上適正なところはない、相乗効果も期待できマイナスではない」と、苦しい胸の内をにじませた答えを。

   独立行政法人の無駄遣いを追いかけてきた玉川リポーターが取材し、報告した。

   いずれにしろ行政改革が著しくトーンダウンしたことは間違いない。キャスターの赤江珠緒が「福田内閣以前からある程度、道筋が決まっていたのにトーンダウンしたのは、麻生さんに代わったからというのが大きいのですか?」と。

   これにテレ朝解説委員の三反園訓が応えた。「麻生さんが『全部廃止だよ』といえば決まっていたのに、明確な指示がなかった。リーダーシップがないからです」。

   渡辺元行革担当相は「麻生さんが就任早々(の所信表明で)『官僚は私の内閣にとって敵ではありません』といった時に勝負あったのですよ」と麻生批判も。

   景気対策も先送り、行政改革もダメ、麻生首相は一体何の政策をやろうとしているのか??