非都市部のコンビニ24時間「やめたい」 「温暖化防止」ではないその理由

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   1日3500万人が訪れるというコンビニ。いま全国に4万3228店舗ある。その90%以上が24時間営業である。その便利さは、人々のライフスタイルをも変えたのだったが、ここへ来て、深夜営業が問い直されようとしている。

   「京都議定書」は地球温暖化防止の先鞭をつけた。その京都市でいま、「Do you Kyoto(京都してますか)?」を合言葉に、20年でCO2を半減するとの目標をたて、市民会議が議論を始めている。電力消費削減の「標的」になっているのが、コンビニの「24時間営業」だ。「京都では、深夜は眠った方がいい」(門川大作・京都市長)。

2倍になった「23時に起きている人」割合

   23時までだったコンビニが終夜営業になったのは、1975年から。機能・サービスも次第に拡がる。ATMでの現金引き出し、公共料金や税金の支払い、宅急便の受付……。さらに、深夜の防犯にも役立つ、災害のとき頼れる拠点にもなる。なにしろ交番の3倍もの数が24時間開いているのだから。

   しかし、現金があるために犯罪を誘発する、青少年に悪い影響があるなど、マイナス面も出てきた。そして、今度は深夜営業はエネルギーのムダという視点だ。23時から朝7時までの利用は、1晩に500万人。これをどう見るか。

   関西学院大学大学院の藤田太寅客員教授は、「見逃してならないのは、暮らしの24時間化だ」という。70年代には、23時に起きていたひとは24%だったが、2005年は48%。都会ではもっと比率が高いはず。つまり便利さは、夜型人間を生むという相乗作用があった。

   こうなると、ニワトリと卵だ。どちらに重きを置くかで、話が違ってくる。

   夜の仕事の人たちは当然、「(深夜休業は)不便になって困る」「時代に逆行する」。環境・温暖化防止の視点からは、「明かりがムダだ」「そろそろ生活を見直してもいい時期ではないか」となる。

   コンビニ業界は、「すでに電力消費減に努力している。深夜閉店しても、冷蔵庫の電源は切れない。エネルギー削減は4%程度にしかならない」と、絶対反対だ。京都市民会議にも出席を拒否している。ただ、これには裏があった。

軽井沢や呉「23時まで」

   チェーン店のオーナーの中には、24時間営業をやめたい人がかなりいる。都心部は別として、大半の店では、深夜の売り上げがアルバイト代に追いつかないのが実情だからだ。しかし、本部との契約(最長15年間は24時間を続ける)でこれができない。

   あるオーナーは、深夜1人で店に立つ。アルバイトを雇うとそれだけ赤字になるからだ。昼間は奥さんが店に出ているから、夫婦はすれ違い。「1分1秒も閉店できないから、家庭は崩壊状態」という。まさにコンビニ残酷物語。

   一部のオーナーたちは、系列を超えて「24時間を見直してくれ」と本部に訴える。しかし、各本部は「売り上げが減少する」の一点張りだ。本当にそうか。

   軽井沢では、32年前からコンビニの営業は朝6時から23時までを続けている。自治体が地域の特性から決めた。利用者もすっかりそれに慣れている。広島・呉市にも2年前、23時終業の店ができた。市の申し入れによるものだ。

   藤田教授は、「このままだと、やがてオーナーのなり手がなくなる。24時間が当たり前になっているのが問題だ」と懸念する。国谷裕子も、「軽井沢、呉で成り立っているのだから……」といった。

   便利さの追求が、進歩の原動力だった時代はもういい、というべきか。

ヤンヤン

NHKクローズアップ現代(2008年12月11日放送)
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