役の中で死ぬ思いの努力 日本人バレエダンサーのこだわり

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「プロフェッショナル 仕事の流儀」(NHK) 2008年12月9日 22時~

   クラシックのバレエダンサー・岩田守弘の『わが闘争』を描く。外国人など絶対に使わなかった世界最高のボリショイバレエ団で、長い長い孤軍奮闘の末に入団を認めさせ、なかんずく、第一ソリストという地位で活躍する38歳である。彼は美男子でもなく、典型的な大和民族のデカ面で、「馬上豊か」ともいえる武士体型の短足にして、身長が166センチしかないハンディキャップの持ち主だ。それにもかかわらず、主役はだめでも個性的な準主役をキャストされて、大活躍しているのだ。高いジャンプと正確な回転などを武器に、差別と戦いながら頑張っている。素晴らしい青年である。
   ステージでは踊り手の総てが丸裸に出る。だから、肉体の鍛錬ばかりでなく精神の充実も要求される。バレエダンサーの限界の年齢に来ているのにまだ彼は諦めていない。
   口の悪い筆者の友人は、クラシックバレエの男役を、「あれは単なる(女ソリストの)ケツあげに過ぎないのに、詰らなくないのかなあ」などと言うが、どうしてどうして岩田の話を聞くと、芸術家としての信念や苦労は並大抵のものではなく、夫々の役の中で死ぬ思いの努力の日々なのである。脱帽!
   ロシア人の夫人と子供2人を抱えて、年齢的限界と戦う明日なき日常に、「頑張れ」と声をかけたい。ただし、「プロジェクトX」時代から担当しているナレーターの口調にはいささか辟易するが。

(黄蘭)

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