2024年 4月 19日 (金)

私が今年陥落した アノ俳優の「涼やかな瞳」

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   今年もっとも心に残ったのは「ROOKIES」。暴力シーンが苦手な私は、最初は顔を覆いつつ指の隙間から見ていたんだけど、みるみる引き込まれていった。「手は握れば拳だが、開けば掌(たなごころ)、手の心だ。いつかお前がそれを開いてくれることを信じている」という佐藤隆太のアツい先生もよかったが、それ以上に胸に迫ったのは、好きな野球を奪われてしまった生徒たちの痛み。

   グラウンドを見つめる遠い眼差し、煙の立ち込める薄暗い部室、殴ることでしか自分を表現できないもどかしさ。今でもフラッシュバックする2つのシーンがある。それは「もう一度みんなと野球をしたかったな」というキャプテン御子柴(小出恵介)の泣き顔と、再びボールを握るのだと決心した瞬間、ピッチャー安仁屋(市原隼人)の指先からポトリと落ちたタバコの吸差し。

「ROOKIES」にボロ泣き

   俺たちは夢を持っちゃいけないのか? 勇気を持てば変われる。一つ一つの言葉に呼応して込み上げてくる思いにボロ泣きした。

   ところで、どう見ても高校生に見えない人ばかり集めたキャスティングは喫煙シーンが多かったから? なんてちょっと思ったりして。

   残念だったのは、途中でバレーボールの中継が入り4週間のブレイクがあったこと。せっかく盛り上がったところで水を差された感じ。ドラマを忘れられないようにと、バレーボールの応援団や、ありとあらゆるTBSのバラエティに駆り出されていた出演者たちが健気だった。ほんとは何かと忙しい土曜の8時より、金曜10時くらいの枠でじっくり見たかったなあ。

   2番目に忘れられないのはやはり学園もの、深田恭子が教師役の「学校じゃ教えられない」。メインに無名の新人が多かったせいか、視聴率的にはパッとしなかったけど、10人の生徒のキャラがすべて立っていて、それぞれ魅力的だった。

   いじめ、自殺、妊娠、同性愛というカゲキなテーマを次々解決していく、メルヘンチックでディズニーおたくの深キョン先生という取り合わせが新鮮で、毎回ラストは幸せな気分になれた。

   あと一つあげるとしたら、「OLにっぽん」。中国人に仕事を奪われリストラされてしまうなんて、今の日本人にはビミョーすぎるストーリー。中国をどう描くのか興味深かったが、むしろ浮き彫りにされるのは日本の会社組織。「日本人は劣化している」「人は宝だ」と印象的な言葉もいっぱいあり、いろいろ考えさせられた。特筆すべきは中国人労働者のコーディネータ役の阿部サダヲ。今までハイテンションな芝居が得意な人と思っていたけど、その涼やかな瞳に陥落した私でした。

ツキノ・ワグマ

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