残酷なサンタクロース 孝行娘とダメ親父の間に運んだもの

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   <テレビウォッチ>不況、雇用不安、そしてやり場のない閉塞感…日本列島「くるしみます」一色の今年のクリスマス。そのイブの夜、沖縄で起きた父娘の惨劇を取り上げた。浮かび上がってきたのは「ダメ親父」と「けなげな長女」の姿……

どう判断するか

   警察の調べによると、事件は12月25日未明、沖縄・豊見城市の団地で起きた。

   父親(49)が、午前0時ごろ妹と帰宅した高校生の長女(18)に、「帰りが遅い」と注意したことから口論となり、鍋と包丁を持ち長女に襲いかかった父親に長女は別の包丁を持って抵抗、父親は左胸と左わき腹を刺され死亡した。

   事件は、自宅に来ていた父親の交際相手の女性が救急車を呼び分かった。

   長女と妹は離婚した母親のもとでイブを過ごし、午前0時ごろ母親の運転する車で帰宅。その直後の惨劇だった。

   2人が母親のもとでイブを過ごすのを父親は承知しており、携帯電話で父親は「遅いので帰らずに泊まってきなさい」と連絡していたという。なのに、なぜ2人は帰ったのか??

   父親から日頃、相談を受けていたという民生委員によると、父親は腰痛がもとで仕事ができなくなった。その苛立ちからか家庭内暴力を振るうようになり、5年ほど前に離婚したという。

   当初、姉妹2人は母親のもとで暮らしていたが、2、3年前から父親と暮らすようになった。

   近所の人の話では、長女は妹の面倒をよく見ていたし家事もよくやっていた。一緒に犬を散歩させる姿も見かけ、「仲の良い父娘」と映っていたようだ。

   ところが実情は違っていた。一日中ベランダで過ごし、暴れる父親は変わらなかったらしい。昨(2007)年7月には、酔った状態で牛刀を持ち出し検挙されている。

   この父親の実父は「来年、50歳になるというのに、私に包丁を突き付けるし、小遣いをせびる。孫たちはガタガタ震えていたはずです。孫に悪いところはない。たまらず爆発したのではないか」と、長女をかばう。

   「長女は、何故そんな父親のもとに帰ったのか?」。スタジオの皆が抱いた疑問への答えは……

   木場弘子(千葉大特命教授)は「子供の立場でいうと、両親とも大事ですよ。『遅いから帰ってくるな』という父親の口調のどこかに、怒った感じを敏感に受け取ったのでは……」。

   山口一臣(週刊朝日編集長)は「そもそも、いったん別居していた子供2人がなんでお父さんと住むようになったか。1人でいるお父さんが心配だからという気持ちがあったのでは……」。

   ただ、来年2月から姉妹2人は再び母親のところで暮らす予定でいたという。

   これを受けて村田晃嗣(同志社大教授)は「お父さんと過ごせる最後のクリスマス・イブということで、帰ってきたのかもしれませんね~」。

   長女は逮捕されたが、警察は正当防衛の可能性もあり、慎重に捜査するとしている。が、大谷昭宏(元読売大阪社会部記者)は「長女が別の包丁を取り出していることから、過剰防衛になるのでは? 検察庁がどう判断するかですが……」と。

文   モンブラン | 似顔絵 池田マコト
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