米国変える「真の力」は? オバマか若者かユーチューブか

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   オバマ大統領のホワイトハウスでの執務が始まった。興奮と熱気の就任式は、変革への期待の大きさをうかがわせたが、目に見えた変革の実績が示せないと国民の挫折も大きい。

1300万人の草の根支持者

   アメリカの場合は、その実績を示すタイムリミットは就任後100日といわれている。オバマ大統領は危機をどう乗り越え変革を実現させようとしているのか……

   特集番組『オバマが変えるアメリカ』のシリーズが始まった。その第1回目のテーマ『国民を政治に巻き込め』は、大統領選を勝利に導いたオバマを取り巻く草の根パワー。『変革の要』として再糾合しようというオバマ戦略を取り上げた。

   「オバマは1300万人の親衛隊を持っているようだ」。アメリカのマスコミがこんな表現をするオバマを取り巻く草の根支持者たち。

   オバマ陣営では、党派対立や既得権益を持った圧力団体など変革を拒む勢力に対し、草の根のパワーの知恵や情熱を活用して変革を実現させようという動きが既に始まっている。

   就任式3日前にオバマは、1300万人以上の草の根支持者たちが登録しているという自身のホームページで、新しいメッセージを発表した。

   「大統領として課題に対処するために、すべての国民の助けが必要だ。選挙で変革のために戦った皆さんに戦いを続けてほしい」

   いち早く着手したのが、変革が難しいと言われる医療保険改革。

   6人に1人が加入していないというお粗末な医療保険制度にメスを入れようと、改革を担うキーマンとなる厚生長官に、民主党院内総務を務めたトム・ダシュルを指名した。

ネットで「智恵貸して下さい」

   さっそくダシェル長官はネットを通じて、「どのように改革すべきか知恵を貸して下さい。皆さんの意見を改革案に盛り込み立法化につなげたい」と呼び掛けた。

   この医療保険改革は苦い経緯がある。クリントン政権時代に、ヒラリー・クリントンのもとで改革に着手したが、保険業界や製薬業界の激しい反発を受けた。加えて身内の民主党議員からも改革反対の火の手が上がり、結局は挫折した。

   この経験を踏まえ、改革実現には国民の強い後押しが必要だと認識、草の根パワーの活用に動いたのである。

   では、期待される草の根支持者たちや国民の反応は??

   取材のためにワシントン入りした番組キャスターの国谷がブルッキングス研究所のダレル・ウエスト副所長にインタビューした。

   「次の行動に移ろうとしている国民が多いと思いますか?」に、ダレル副所長は次のように語った。

   「アメリカの国民はこれまで政治に冷めた目で見ていました。公約を掲げながら実現しなかった政治家が多いからです。しかし、あの大統領選に若い人たちが参加したことは特筆されるべきです。過去30年若い人たちはずっと政治に冷やかで無関心だった。その若い人たちが、オバマのために戸別訪問をし、政治的に動いた。この若者のエネルギーを取り込み政治に繋ぎ止めておくことが今後の課題でしょう」

   「オバマ流の政治が既に始まっていると……」には、ダレル副所長は「オバマは国民に直接接触し、国民を政治に関与させたいと思っています。週末行うミーティング内容をユーチューブで国民に発信する初めての大統領です。国民とホワイトハウスの関係を変えようとしているのです」と。

   翻って日本は?? 2年間に入れ替わり立ち替わり2人の首相が突然止め、3人目も資質が問われ支持率低下しているにもかかわらず、国民の審判を仰ごうとしない。意志の疎通はなくなるばかりだ……

モンブラン

   *NHKクローズアップ現代(2009年1月21日放送)

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