2024年 4月 16日 (火)

ブランドに頼らぬマグロ選び その厳しさと優しさ

富士フイルムが開発した糖の吸収を抑えるサプリが500円+税で

   日本人のソウルフードといえば、寿司。1皿100円の回転寿司から、一貫数千円もする超高級寿司屋まで。日本人の寿司文化は根強い。寿司のネタで王道は何か。ベタといわれようが、やはり「マグロ」だと私は答えたい。今回のゲストは、マグロを取り扱うプロフェッショナル。築地のマグロ仲買人・藤田浩毅。

   東京には超一流とされる寿司屋が何店もある。その名だたる寿司屋からマグロの仕入れを任されているのが彼だ。マグロというと、何かとテレビなどで騒がれるのが、青森・大間産や北海道・戸井産のもの。超高額で競り落とされる様子が番組で特集されていたりする。競り落とされた後は、国内外の名店に売られていく。一流の店では、ブランドもののマグロしか出さないのかと思ってしまうほど。

   しかし藤田は、これらのブランドに拘らない。自分の目で固体を見極め、指先で品質をチェックする。触るだけで味が分かるという。そして良いと思ったものには、それに応じた値段をつける。ブランドに金を出すのではない。

「なんでもかんでも、安く買い叩くって言うんであれば、一生懸命とっている漁師さんたちが潤わない。本当に一生懸命とってくれたものに対しての評価をするってことは、これは仲買としたら本当に大事なことだから」。

   知られていない産地のものは誰も買おうとしない。安く買い叩かれる。結果、その産地は疲弊する。それを間接的に守るため、藤田は適正な価格で買い付ける。

   誰も欲しがらないのだから、安く買い叩くことだってできる。安く仕入れて、高値で売り、利益を得るのが商売なのではないか。しかし藤田はその先を見ている。安く買い叩けば、それを釣り上げた漁師が苦しむ。廃業に追い込まれる可能性もある。味に見合う価格を支払えば、漁師はまた漁に出られる。そしてまた藤田はそれを競り落とせる。産地や生産者のことを考える藤田のやりかたは、正しいビジネスの形なのだろう。

慶応大学 がくちゃん

* NHKプロフェッショナル 仕事の流儀(2009年1月20日放送)

姉妹サイト

注目情報

PR
追悼
J-CASTニュースをフォローして
最新情報をチェック
電子書籍 フジ三太郎とサトウサンペイ 好評発売中