平成花咲じいさん計画 政府紙幣で経済回復するか
<テレビウォッチ> 「50銭のお札がいま永田町で注目を集めてます」と笠井信輔が思わせぶりに古い紙幣3枚を見せた。これらはかつて政府が実際に出したものなのだが、この財政難で本気で言い出す人がいるんだという。どういうことか。
普通の紙幣はすべて「日本銀行券」という表示があるが、硬貨には「日本国」とだけ。これがつまり「政府」が発行した通貨。これを紙幣で出したのが「政府紙幣」で、「政府が保証」するから日銀券と同じに通用する。
推進するのは、自民党の菅義偉・選対副委員長。「100年に1度の事態というのだから、われわれも100年に1度の策があっていい」という。「円安の効果も期待できるし、今の法律でできる」
専門家の中にも、「国債発行しないで財政収入があるわけだから、適切に運用すれば」と打ち出の小槌効果をいう人もある。笠井が解説して、「印刷代のみで、国債のように返済の必要なし、しかも無利子……」
小倉智昭が、「政府が保証するにせ札か」(笑い)
笠井はさらに、「定額給付金でも、25兆円くらい出せば、国民1人あたり20万円。わが家は夫婦と子ども3人。車がないので、車が買えるかもしれない」と話が進む。
しかし、自民党の細田博之幹事長はにこりともせず、「そういうことができるなら、毎年30兆円ずつ紙幣を刷って、30年間で800兆円の借金を全部返したことにしたらどうですか? それが空理空論で意味がないのはみなさんご存じの通り」と、にべもない。
むろん「貨幣価値が下がっちゃうから、ハイパーインフレになってしまう。円に対する信頼性が大きく損なわれる」と真面目に否定する専門家もいる。麻生首相も「今のところ、とても……」と、変な否定の仕方だが。
笠井も「お金の価値が下がると、物価があがる。100万円の車も200万円になってしまう」という。
小倉が「ジンバブエになっちゃう。あそこは1兆分の1の切り下げですからね」と笑う。
岩上安身は、「印刷代もいらない。超高額紙幣を一枚刷って日銀に預けて政府勘定にしてしまえば済む。が、それをやったらもの凄いインフレになりますよ。そのとき打撃を受けるのは年金暮らしのお年寄りですよ」
どこかで聞いた話だと思ったら、例の「円天」と同じじゃないか。そういえば、この朝、L&Gの波和二会長が任意で同行というので、大騒ぎだった。