中国に「捨てられた」 日本のペットボトルの行き先

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   金融危機がとんでもないところに陰を落としている。日本のペットボトルの半分を資源ゴミとして受け入れていた中国が、輸入を止めてしまったのだ。すでに日本のリサイクルシステムは空洞化していた。各地でペットボトルの山ができつつある。

年商7億円、しかし取引中止の宣告

   奈良・桜井市では、先月末で20トン。同市では5年前から分別収集を始め、当初は無料で業者に引き取ってもらっていた。3年前から別の業者が有料で引き取るようになり、値段もキロ当たり2円から翌年は45円、昨2008年は70円になって、700万円もの収入になった。

   ある中国出身の収集業者は5年前から参入し、11の自治体から年商7億円にまでなっていたが、昨年10月、中国から取引中止をいってきた。

   その中国。淅江省慈渓市の業者の倉庫には、加工された綿が行き場を失って山になっていた。ぬいぐるみやジャケットの詰めものとして欧米に輸出。昨年は、世界中の業者を集めたパーティーで、中国への輸出を呼びかけていたのに、今は昔だ。

   一方日本では、過去5年余りの中国への流れの中で、国内でのリサイクルルートはやせ細っていた。東京の業者の倉庫には、昨年10月までの250トンがそのまま眠っていた。社長は、ある大手繊維メーカーを訪ねたが、リサイクル施設が限られているので、急には無理と断られた。中国がふくらんだ分、国内がしぼんでいたのだ。明日は全く見えない。

ペットボトルからペットボトル

   番組は、ひとつの光明らしいものを紹介した。ペットボトルからペットボトルを作る技術の実用化である。最大手メーカーの新施設が12月から稼働し始めたのだ。ボトルをまたボトルに――これは理想のリサイクルだ。

   理論的には早くからわかっていたが、ペット樹脂にする技術が、石油から作るよりコストが高く、ほとんど採算がとれない。ただ、製造過程でのエネルギーは4割削減できる。メーカーは、将来の原油高や資源の枯渇をにらんで、「5年、10年で状況を改善できれば……」という。

   細田衛士・慶大教授は、「ゴミ処理ではなく、資源を取り出そうとすると、市場に頼らざるをえない。そうして市場に任せた結果、大きなツケを払うことになった。優秀なリサイクル技術を持つ業者が少なくなってしまった」という。

   「ボトルへのリサイクルの技術レベルはどうなのか?」と国谷裕子が聞いた。

   細田教授は、「画期的。理論はわかっていたが、それを商業化したのは大変なことだ。単にモノを動かしてるんではなくて、新しい産業をつくっているようなもの。しかも、5年、10年で採算が、というのが凄い」

   「今後はこれをどう効率的に動かすか。ペットボトル集めで民間の力を借りるとか。量が増えれば、スケールメリットが出てくる。採算もとれるだろうし、CO2を減らすことにもなる」

   これがおそらく正論なのだろう。しかし、業者たちはいまをどうするか、即効薬探しに必死だ。5年、10年という展望で動ける人たちがどれだけいるか。

ヤンヤン

* NHKクローズアップ現代(2009年2月5日放送)

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