「究極の見せ物」国会中継 首相対「黄門様」の軍配

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「国会中継 衆議院予算委員会集中審議」(NHK) 2009年2月9日 14時~

   民主党の枝野幸男氏ら何人かの議員の質問があった中で、抜群に面白かったのは、黄門様、すなわち民主党の渡部恒三議員のそれである。本人は大真面目なのだが、訥々とした喋り方、間の置き方、東北訛りの声の抑揚、いずれもが名人の落語家の一席を聞くような、洒脱と滑稽さが入り混じったエンターテインメント話術になっていて、笑っちゃ悪いが大笑いしたのである。
   例えば、控えめに質問している途中で、質問者側に座っている大勢に向かい、突如大音響で「まあ聞け!」と一喝。周りはシーン。ヤジは一瞬にして無くなる。「お年寄は年金がなくなるんじゃないか、健康保険が値上がりするんじゃないかとか色々不安が一杯だ。(ここで一段と声を張り上げて)これを代えるには政権交代しかない!」「30年間自由民主党におったオレがいうんだから間違いない!」とまるで1人漫談を見ているようだった。
   いつも野党議員の質問の時は、歪んだ口をさらに皮肉に歪めて聞いている麻生首相が、渡部議員には笑顔を向けて、「ジイさん頑張っておくれよ」とでもいいたそうだった。ところが、渡部議員は総理の返答のブレを鋭く突いて、結局、小泉元首相の変人批判までやらかす失態を引き出した。約10歳年長の渡部氏の手にかかると、あまりクレバーでない麻生首相は一捻りされて1巻の終わりである。
   究極の生放送である国会中継はまた、究極の見世物として存在する。

(黄蘭)

採点:1.5
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