2018年 7月 21日 (土)

海外との比較は無意味か 日豪「認知症対策」この落差

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   オーストラリアと認知症。よく知られた「北欧と福祉」などにくらべると、あまりピンとこない組み合わせだが、じつはオーストラリアは認知症ケアの先進国なのだそうだ。今回の放送「広がるか 認知症『本人が決めるケア』」では、そんな『新潮流』を紹介するものだ。

本人の希望に沿うようにケア

   オーストラリアには、この問題の先駆け、啓蒙的な人物がいる。認知症の不安や怖れ、現実を「私は誰になっていくの? アルツハイマー病者からみた世界」という本を記したクリスティーン・ボーデン。ボーデンやアルツハイマー病協会などが患者の視点で、悩み苦しみといった心の内を世間に訴える活動を行った結果、国も「認知症は保健行政の最優先事項」と捉えるようになり、認知症ケアの予算が手厚く組まれていったという。

   何が悩みなのか、どのように暮らしたいかといった本人や家族の希望(とくに若くして認知症になった場合)に沿うように、さまざまな形のケアが用意され、選べるようになっている。患者同士で、歌やビリヤードを楽しむ場があったり、認知症の人同士で、体験を共有する場、無料の電話相談窓口が設けられていたりもする。

   言うまでもないが、それにくらべて日本は、という話である。もっとも、相対的に日本が遅れてるのでなければ、この番組で海外の事例が紹介されることもない。国内での認知症ケアのコンセプトは、まだまだ施設での介護中心、いわば肉体的なのだ。心のケアや患者個々の事情を酌んで、いろいろな選択肢を用意し、そこから「本人が決める」といった、きめ細かいケアにはほど遠い。そうした取り組みをする先進的な施設もあるが、予算的にも厳しく、広がりを見せない現状だ。

   かと言って、今日の日本の厳しい国家的財政状況のなかでは、予算をつけるのもなかなか難しいし――。予算的な話題になると、国谷裕子キャスターが必ずと言っていいほど、国のフトコロ事情を思い出させてくれる。答えの見つからない、ため息つきたくなる展開が、このごろのクローズアップ現代ではお馴染みになりつつある。

ボンド柳生

NHKクローズアップ現代(2009年2月17日放送)
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