2024年 4月 24日 (水)

日韓の輸出競争 「激化」予想と日本技術者の渡韓

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   世界的な経済危機が地球をあまねく覆い、日本国内は言うに及ばず、海外のニュースも景気の悪い話ばかり。まるでどこの国がもっとも重病なのかを競い合ってるかのようだが、今回の放送「苦境に立つ韓国経済」によると、韓国経済も相当に深刻な状況だという。

   経済成長率が年率(換算)でマイナス20%。不動産バブルの崩壊、金融自由化で入ってきた海外マネーの撤退、急激なウォン安などなど。もっとも、韓国は自動車や電子・電機製品の輸出国で日本以上に貿易、輸出に依存している。その点では、ウォン安は必ずしもマイナスではないはずだ。ところが、「製造業が抱える構造的弱点から、ウォン安を競争力につなげることができない」(国谷裕子キャスター)のだという。

韓国政府が経費を補助

   「はたして、その弱点とは!?」と進んでいきそうな展開だったが、国谷キャスターは「まずは韓国経済の現状からご覧ください」と言って冒頭のブリーフィングを終え、VTRがはじまる。肩すかし状態のまま、番組も煮詰まってきたころに、ようやくそれらしい話になった。

   韓国はたしかに製品輸出大国なのだが、開発に時間のかかる素材や部品は、日本をはじめとする先進国からの輸入に頼ってきた。対日貿易収支を見ても、貿易赤字は膨大。昨2008年度は327億ドルに上る。

   そこで、当たり前のような話だが、輸入していた製品を自前で開発する動きが出ている。ある造船部品メーカーは、日本の機械メーカーを退職した日本人技術者を招いた。「(開発にあたって)指導者の役割を果たしてくれたのは大きな助けになりました」(メーカー代表)

   こうした動きは単に個々のメーカーにとどまらない。韓国の産業団体が日本の新聞上で、日本人技術者の募集広告を出したこともある。しかも、こうした経費は国が補助し、国家的に技術者輸入を後押しし、国内開発を推進しているのだという。

   スタジオゲストの笠井信幸・アジア経済文化研究所理事は「こういうことは今までも行われていたが、政府が政策として進めるのは非常に新しい動き」だという。そこにはウォン安で製品輸出の攻勢に出る狙いがうかがえ、「日本との競争もさらに激しくなる」(国谷)ことが予想されている。

ボンド柳生

* NHKクローズアップ現代(2009年2月24日放送)

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