アカデミー賞「つみきのいえ」 主人公のモデルは…
<テレビウォッチ> 「つみきのいえ」でアカデミー賞の短編アニメーション賞を獲った加藤久仁生監督(31)が、オスカーをもってのっそりとスタジオに現れた。みんな拍手、拍手……佐々木恭子が、オスカーに「初めて見るぅ」。
本人は、授賞式のときと同じ顔、拍手に応えながらもほとんど無表情だ。いったん席に座ったが、ディレクターにうながされて、オスカーを佐々木に手渡した。
「重-い」という佐々木から順に手渡し。小倉智昭が珍しく「オーッ」といっただけ。眞鍋かをりは、「アーッ、危ないですよ。落とすくらい重い」と岩上安身へ。岩上は「あ、ホントだ。びっくり」と前田忠明へ。前田がオスカーを上げてみせると、「ダンベルじゃないんだから」と岩上。
笠井信輔が、「監督、いまどんなお気持ちですか」
加藤監督は、「まだ、気持ちがおちついてないんですけど、すごくありがたく思ってます」
授賞式でオスカーを手にしたときのスピーチがよかった。「So heavy. Thank you Animation, thank you my company 『Robo』. どうもありがとうミスター・ロボット」。
その「(株)ロボット」(渋谷)での加藤を、カメラが追った。マンションの入り口はお祝いの花でいっぱいだ。「びっくりしてます。『笑っていいとも!』じゃないかって」
仕事場のスペースはわずか2畳ほど。デスクの上にはコンピューターのモニターが2つ。鉛筆をとりだして、「普通の2BとかHBとか、シャープペンのときもある」という。この鉛筆でデッサンして、色付けは全部コンピューターで行う。
「仕事しながら、グレン・グールドとかビートルズとかを聴く」
作品のひとつ、「Sony Music」のCMが流れた。受賞作とは違うテーマ、タッチも全く別物だ。同じアニメ作家の野村辰寿が「画力が圧倒的で、どういうところからこういう絵が描けるのだろう」という。
鹿児島の実家で父親は、「つみきのいえ」の老人に、「お義父さん(監督の祖父)を思い出しますね。ダブってるところがある」。母親も「おじいちゃんの仕草とかが、父に似ている」と。スタジオでVTRを見ていた監督も、「まだ30なので、具体的なキャラクターをつくるときに思い出しましたね」
小倉が、「DVDが売り切れで全部見てないんですよ」
昨2008年10月24日発売の初版は1200枚だったが、オスカーを獲った後、2日で2万5000枚が売れたという。笠井がこれをボードのグラフでみせたら、「わかりやすいですね」(笑い)
「監督なんて呼ばれてました?」と小倉。
「いや、全然呼ばれてないんで、慣れないんですよね。恥ずかしいです」
高校時代はバンドをやっていた。笠井が「一歩間違えるとテレビ司会者になっていた」
小倉が「ということは、おれが一歩間違えると、アカデミー賞?」(笑い)
周囲の反応も、「みんな驚いて喜んでくれて、よかった」とあくまで控えめ。
静かに光る才能というのを、久しぶりに見た。