海賊VS自衛隊 ソマリア沖で何が起こっているか

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   ソマリア沖の海賊は、カリブの海賊ほどでないにしても、最近にわかに有名な存在になってきた。ヨーロッパとインド洋を結ぶ重要な航路であるアデン湾にはとくに多く出没し、行き来する商船への大いなる脅威となっているという。

   いくつかの辞書で「海賊」を引くと、説明にはだいたい「略奪」という言葉が載っている。それからすると、帆船とスパロウ船長的なイメージが思い浮かんでしまうが、ソマリアの海賊はやり方が違う。筆者も最近やっと知ったことなのだが、小型のモーターボートなどに乗ってきて、略奪ではなく、船員を人質にとり、身代金を要求するのがソマリア風のやり方なのだ。海上誘拐団とでも呼ぶほうが適当かもしれない。

「海上警備行動、あくまで応急措置」

   さて、こうした脅威にどう対応すべきか。英米はじめ、各国はソマリア沖に護衛艦などの軍艦を派遣して、警戒に当たり、その数は数十隻にもなる。我が国も国際社会での責任を果たすためには行かないとまずい、という考えから、まもなく(3月13~14日ごろ)自衛隊の護衛艦2隻がソマリアに派遣される。

   ところで、放送タイトルの「『初めての派遣』」にもあるように、その派遣方法が異例なのだそうだ。これまでの自衛隊の海外派遣では、新法をつくって派遣した。ところが、今回は自衛隊法で認められている「海上警備行動」の対象としてソマリアへ行く。この海警行動は、日本近海に不審船が現れた場合などを想定したもので、自衛隊の目の前で外国船が海賊に襲われていても、原則的には対応できない。

   そこで政府・与党は今国会で武器使用の基準や、外国船も守る対象とする新法(通称、海賊対策法案)を成立させる構えだ。しかし、新法を待たず、国会を無視して、海警行動で自衛隊を派遣したことが「なし崩し的」だと野党は批判する。

   番組後半では浜田靖一防衛大臣が出演した。「海警行動での派遣は、あくまで応急措置」と説明する大臣は、新法など、自衛隊の今後の海外活動のあり方については「国民的な議論が必要」といった決り文句を述べ、全般に見所は少ない内容だった。

ボンド柳生

*NHKクローズアップ現代(2009年3月10日放送)
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