政治と宗教の「危険な香」 経済格差と心の問題

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   <テレビウォッチ> NHKスペシャル「揺れる大国 プーチンのロシア」。シリーズもので、今回は「失われし人々の祈り」と題してロシア正教の復活ぶりを描いた。

   ロシア革命を経てソ連時代には、20万人ともいわれるロシア正教聖職者が粛正されたそうだ。それがソ連崩壊後、また力を持ち始めている。急激な市場主義化で勝ち組負け組の差がはっきりし、見捨てられたと感じている人たちが心の救済を求めて集まっている。

   一つにはロシア正教の教会が、いわゆる炊き出しなどをして積極的に貧しい人たちを支援していることがある。しかし番組を見ていると、どうも政権側と気脈を通じ、人々の不満を抑える機能を負っているようにも感じた。学校での愛国教育も始めた。

   番組では、アルコール依存症を教会施設で直した後、家族とやり直そうと頑張るトラック運転手が紹介された。頑張る気持ちはあるが仕事がなく、家族との関係再構築も簡単ではない。元大学教授で自分は無宗教だ、と言いながら妻に付いて教会に通う人も出てきた。思い入れの差はあるけれど、ともにロシア正教に吸い寄せられる人々だ。

   困っている人たちを魂の問題も含めて助けていく、そのこと自体はいいことに見える。しかし、政権との蜜月ぶりをみるとそうコトは単純ではない、と思わされる。不気味な感じもした。政治が宗教を利用し、またその逆も…これは危険な香がする。

   ドキュメンタリーとしてはよく出来ていて、クオリティーは高かった。大国が「揺れ」ている現状がよく分かった。

      拝金が 信仰にすがる イコンかな

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