成田・着陸失敗で炎上 元機長が説明した「風と操縦テク」

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   3月23日は午前6時48分に成田空港で米国フェデラル・エクスプレス社の貨物機が着地に失敗して炎上、アメリカ人の機長と副操縦士が死亡する事故が起きた。事故発生の時刻が7時前だったため、朝のニュースワイドは繰り返し何度も、墜落して炎上、ひっくり返り、爆発する場面までを見せた。

積み荷は?機体トラブルは?

   それに比べるとNHK19時のニュースで流れた映像は、機体が炎上して傾くところまで見せ、その後、機体の姿はいったん切れ、再び現れたのは化学消火剤を浴びた残骸。やや物足りない印象だった。念のため「ニュース9」も見たが、結果は同じ、機体が仰向けになる瞬間は抜けていた。カメラ設置の都合かとも思われるが、「総合力」が売りのNHKにしては珍しいことといえよう。

   肝心の事故原因の分析はNHKらしく丁寧で分かりやすかった。まず『ウインドシア』というキーワードを示す。武田真一アナウンサーは「急激な風の変化が起きやすい状況」と説明し、「着陸機の斜め左の北西方向から強い風が吹き、午前6時32分、21.1メートルの瞬間最大風速を観測しました」と言う。

   やがて登場した元全日空機長で航空評論家の前根明は「上空と地上で風の早さが少し違っていた可能性がある。上空では風が強く前から飛行機に当たっていた。ところが、地上に近づいたときに風が一瞬、弱まって揚力が削がれ、機体がすーっと沈んだ。低い高度で風が弱まり機体が急激に降下した」と語る。そして「風をどうコントロールするか、風をどう生かしてソフトランディングに結びつけるかが、パイロットのテクニックの中で、かなりの部分をしめている」とし、パイロットの操縦ミスが事故につながったとの見方を仄めかせた。元機長の言だけに説得力があった。

   また、事故原因解明のポイントとして前根は、積み荷のバランスがどう働いたか、パイロットの勤務状況はどうだったか、機体にトラブルはなかったか、の3つをあげた。

   アタマの『問題部分』を除けば、よく整理されて過不足ない内容で、NHKニュースの力量をうかがわせた。今月末に鳴り物入りでスタートする、人気女子アナをMCに据えた民放のニュース番組がどういう形で挑むのか、楽しみに待ちたい。

アレマ

   *NHKニュース7(2009年3月23日放送)

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