2024年 4月 17日 (水)

「豪腕」が「ただの女々しいおっさん」に 小沢「続投」が残したもの

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   「オーマイニュース」が4月下旬にサイトを閉鎖することを、昨夜(3月25日)の「J-CASTニュース」で知った。

「オーマイニュース」失敗の理由

   「オーマイニュース」は、呉連鎬(オ・ヨンホ)氏が「市民みんなが記者」をスローガンに大成功した韓国ネットメディアで、2006年8月に「ソフトバンク」と提携して日本版を立ち上げた。初代編集長は鳥越俊太郎氏である。

   私が、鳥越氏の体調不安もあって、彼から頼まれて二代目編集長を引き受けた。07年末から社長に就任させられたが、その3か月後、「ソフトバンク」から追加融資を断られてしまう。やむなく5月末に、社員全員解雇という辛い決断をし、6月末で、私は退任した。

   その後、「ソフトバンク」関連会社の人間を迎え、タイアップ広告主体の「オーマイライフ」と名前を変えてやっていたが、うまくいかなかったようだ。

   「オーマイニュース」の失敗をひと言でまとめるのは難しい。だが、これだけはいえる。韓国の成功モデルをそのまま日本に持ち込んだこと。市民メディアといえども商業ジャーナリズムである。創立当初から、そのためのビジネスモデルを構築しようという努力が、ほとんどなされなかったこと。初代代表の呉氏や私を含めたトップの経営者としての「資質」の問題である。

イチロー「賛歌」と「批判」のタイミング

   さて、今週の話題は何といっても侍ジャパンの2連覇だろう。決勝が火曜日だったことが、各週刊誌の明暗をクッキリ分けた。私も先週のこの欄で書いたように、今WBCのイチローの打撃不信は目を覆うばかりだった。そのイチローが、最後の最後でタイムリーヒットを打ってヒーローになる。だから野球はおもしろいのだが、ポストはグラビアで「隣国の大きな壁」、特集で「野村克也『やっぱり城島の『目立ちたがり』リードが根本問題や』」とあり、優勝は韓国と読んでいたようだ。

   現代も「硬直イチロー星野の呪い」の中で、イチローは「下り坂を迎えた打者の典型」「プレッシャーに勝てない、ほんとうは『弱い男』」と腐している。2誌の編集長は、イチローが決勝打を打った瞬間をどんな気持ちで見ていたのだろうか。ご同情申し上げる。

   朝日は、連載の「松坂大輔WBCレポート」だけで、勝ち負けには踏み込んでいない。これもありだとは思うが、松坂のコメントが「アメリカ戦では僕が先発します」ではね。

   締め切り直前の大ニュースに、してやったりと、新潮は高らかに「『侍ジャパンのお荷物』陰口にも勝ったイチローの『日韓決戦』」とイチロー賛歌を歌い上げる。

   野球もそうだが、もっと一寸先は真っ暗闇なのは政界である。秘書が起訴されれば辞任必至と思われていた小沢民主党代表が、居座ってしまった。政界のご意見番・田原総一朗氏も朝日の「ギロン堂」で「小沢は総選挙に臨むために、むしろ代表の座から降りることを望んでいるのではないだろうか」と予測していたのにである。

麻生首相の答弁原稿アップで見ると…

   大方の「期待」を裏切って続投するとはいったが、よほど東京地検に対する恨みが深かったのか、記者会見で、不覚にも涙までこぼしてしまった。政治家に涙は御法度。剛腕政治家がただの女々しいおっさんに成り下がった瞬間、一気に、党内から代表辞任の声が噴き上がった。文春のいうように「さらば、小沢一郎」である。

   「裸の王様」小沢氏は、昔、細川政権をつくるとき、武村正義氏に「混乱期の総理は、政党の大小やキャリアの長短ではなく、フレッシュさが重要」(文春)だと語ったことを忘れてしまったようだ。

   今週は、「創刊50周年記念号」と銘打った文春が質量共に読み応え十分で圧勝。何たって巻頭の「原色美女図鑑」は吉永小百合。永遠のサユリストである私にとって「永久保存版」である。それ以外にも、スキーで転ばれた美智子さまで始まる「ベストショット100」「日本映画の黄金時代 もう一度見たいとっておきの50本」がある。だが、藤原紀香の「電撃離婚」について、陣内の父が話しているが、新情報は無い。

   各誌のお奨め。現代はいつものことながら「あしたのジョー」。ポストはトップの、麻生総理の国会答弁の原稿を望遠レンズで撮ったグラビア。「優(すぐ)れた」、「踏(ふ)まえつつ」にふりがなが振ってある。苦笑。朝日は「私設秘書はツライよ!」。月給10万円から20万円台。賞与0から1か月。通勤代は実費で住宅手当無し。休みは月に1日程度。このまま「ドキュメント 永田町貧困物語」でも連載したらいいのに。

   新潮は「天皇皇后両陛下『ご成婚50年』秘話」。読みながらあの当時を懐かしく思い出した。中でも、「『直木賞作家』が小説に描写した『美智子さまの初夜』」がすごい。

 

元木昌彦プロフィール
1945年11月24日生まれ/1990年11月「FRIDAY」編集長/1992年11月から97年まで「週刊現代」編集長/1999年インターネット・マガジン「Web現代」創刊編集長/2007年2月から2008年6月まで市民参加型メディア「オーマイニュース日本版」(現オーマイライフ)で、編集長、代表取締役社長を務める
現在(2008年10月)、「元木オフィス」を主宰して「編集者の学校」を各地で開催。編集プロデュース。

【著書】
編著「編集者の学校」(講談社)/「週刊誌編集長」(展望社)/「孤独死ゼロの町づくり」(ダイヤモンド社)/「裁判傍聴マガジン」(イーストプレス)/「競馬必勝放浪記」(祥伝社新書)ほか

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