香取慎吾も脇役陣も熱演 描き出した「あの頃」の日本人

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「黒部の太陽 前編・後編」(フジテレビ) 2009年3月21日・22日 21時より

   開局50周年記念ドラマと銘打っただけのことはある見ごたえ十分のド迫力。脚本(大森寿美男)演出(河毛俊作)共によかった。かつて映画化された時には、関西電力のPRみたいで気が進まず見なかったが、ドラマの舞台である昭和30年代の希望に満ちた日本を見たくて2夜5時間付き合ったのだが、懐かしさと同時にある種の痛みを感じたのである。この頃の日本人は純朴だったなと。
   筆者のセカンドハウスは安曇野市にあり、舞台の大町トンネルは近い。黒四ダムに行くにはここを通るのだが、天井の低い暗いトンネルで、近頃のピカピカ明るいトンネルに馴れた目には通行が怖いくらいである。トンネルの中ほどでぶつかる破砕帯の掘削にまつわる、技術的に困難な場面の描写がドラマの山場であり、それと平行して、長期に単身赴任する男たちの家庭の苦労も描かれた。
   熊谷組の親方・倉松(香取慎吾)と関西電力黒四建設事務所次長の滝山(小林薫)、熊谷組技術者の木塚(ユースケ・サンタマリア)ら主役陣も熱演だったが、脇役の中村敦夫、津川雅彦、泉ピン子、綾瀬はるからがそれぞれ持ち味を出してドラマに厚みを与えた。
   但し、この頃が停電だらけだったとは言い過ぎだし(東京では体験ナシ)、大都会の名古屋に住む滝山の妻(風吹ジュン)が、年中着物に割烹着という昭和20年代みたいな風俗の描き方にも違和感を覚えた。若いスタッフにとって30年代は時代劇(!)なのかも。

(黄蘭)

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