宮沢りえ「ゆでたまご」シーン 凄い・参りました・観る価値あり(ゼラチン シルバーLOVE)

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(C)2008オニマクリスプラナ製作委員会
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   <ゼラチン シルバーLOVE>金と引き替えに、コンクリートに囲まれた無機質な部屋で、河を隔てた向かいの家に住む女(宮沢りえ)を24時間盗撮し続ける写真家の男(永瀬正敏)。依頼人(役所広司)にその目的を一切明かされないまま、男はひたすらビデオカメラで女を撮影し続ける。しかし、男は女の妖艶な魅力に取りつかれ、「仕事」の枠を越えていく……

   監督が写真家の操上和美ということもあり、カメラアングルや色調にこだわりが見られ、それらが作品の世界観を決定的なものにしている。男の盗撮部屋などは、異空間を漂わせる。しかし、男が一歩外に出ると、粗野でありながらも、「廃退していくもの」を撮り続ける異常なまでに繊細な男の感性を、東京の街並みが引き立てる。

   男は女の妖艶な魅力に翻弄されていくのだが、その心境変化をこの映画は徹底的に「画」で伝えており、台詞を可能な限り排除している。

   その「イメージの連続」による羅列は、綺麗な写真のスライドショーを見ているかのような雰囲気を醸し出すが、映画としては、実験作の域を出ていない印象――男が女の魅力に自我を奪われていく「理由」の映画的な描写が、決定的に伝わりづらい。

   そして、まったくといっていいほど台詞が無い前半部の、観る者がゾクゾクする期待に、台詞が出始める後半部が応えられていない。いっそのこと、後半部も台詞を縮小化させた方が作品に一本の芯が出来たのではと思ってしまう。

   しかし、この作品では「ゆでたまご」が不思議な存在感を持つ。それを宮沢りえがエロティックに食べるシーンは、凄い! そして、エロい! このシーンだけでも観る価値はある。

川端龍介

   オススメ度:☆☆

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日本ジャーナリスト専門学校
通称ジャナ専。東京都豊島区高田にあるマスコミの専門学校。1974年の開校以来、マスコミ各界へ多くの人材を供給し続けている。

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