日本の制裁怖くない? 「発射」北朝鮮が恐れるもの

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   「北朝鮮は国際社会の度重なる停止の声を振り切って発射を強行した」(ナレーション)。日本は、発射を停止させるためにどんな外交努力を行ったか、発射されてしまった今、北朝鮮とどう向き合えばいいのかが、今回のテーマ。

「実質的な意味失っている」

   「衛星であろうと何であろうと、国連決議違反であることははっきりしている」(麻生首相)という日本の主張は、米韓両国はもちろん、英仏などヨーロッパ諸国からも支持されているようだ。が、問題は、北の後ろ盾ともいうべき中国、ロシア。日本政府の訴えに対し、「人工衛星なら、そんなにイライラするべきではない」(中国・武大偉外務次官)、「決議違反については日本とは異なった立場だ」(ロシア・デニソフ外務第一次官)と、その態度は冷たい。

   麻生首相も、G20の場で、胡錦濤主席、メドベージェフ大統領に直接、働きかけるがミゾは埋まらなかった。発射後は、国連安保理による新たな決議を目指すが、やはり、拒否権を持つ中国、ロシアが大きなカベとなって立ちはだかる。「難しいことは事実だが、北朝鮮に強いメッセージを出すことが大事」という中曽根外相の言が虚しく聞こえる。

   当面、日本の打つ手は限られ、経済制裁、とくに輸出全面禁止が考えられるが、これも大きな効果は望めないらしい。番組によると、制裁の繰り返しで輸出額は8億円にまで落ち込んでいるのだという。スタジオゲストの小此木政夫・慶応義塾大学教授は「思いきった措置だが、実質的な意味を失っている状況」と話す。

「止められるのはアメリカだけ」

   しかも、北朝鮮の狙いは、どうやらアメリカとの直接交渉にあるらしい。韓国の外交専門家は、クリントン政権時代、テポドン1号を打ち上げた北朝鮮が、結果として、アメリカから経済支援を引きだした前例を挙げて、「さまざまな見返りを期待しているのだ」と見る。しかも今回の発射で、「飛距離が伸び、着実に技術を高めつつあることが明らかになった」(ナレーション)。北朝鮮は、より交渉力を増したといえるだろう。伊豆見元・静岡県立大学教授も「北朝鮮の核再開発を止められるのはアメリカだけ」と言う。

   国谷裕子キャスターが今後の見とおしを尋ねると、小此木教授は「4月が今度のミサイル問題のピーク。5月になればひと山越えるだろう。そのとき、北朝鮮とアメリカとの交渉が動き出せば日本外交にも新しい機会が生まれる」。さらに「国交正常化をテコに核、ミサイル、拉致を解決するといった意気込みで臨むべきだ」と締めくくった。

   『近くて遠い外交上手な国』から脅威を受け、『遠くて近い(と思われる)国』に頼らざるを得ない、外交が得手でない国の先行きは……。

アレマ

NHKクローズアップ現代(2009年4月6日放送)
文   アレマ
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