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豚インフル報道知らない 日本人メキシコ観光客も

   <テレビウォッチ> 番組は、メキシコで発症した豚インフルエンザの感染者が世界的に広がりつつある現状を詳報した。

   現在メキシコで86人の死亡が確認されているほか、アメリカでは感染者が20人に拡大。さらに感染者はニュージーランドで10人、カナダで6人、イスラエル、フランス、スペインでも感染の疑いがあるという。

   WHO(世界保健機関)は、世界的な広がりを見せる動機に『緊急事態』と声明を発表したが、まだ分からないことが多い。

   人から人への感染が起きていること、新しいウイルスであることは分かってきたが、死亡者がメキシコに偏っていることの理由や新型ウイルス感染の重症度がどの程度かはわかっていないという。

   もともと豚インフルエンザは、毒性が弱いとして専門家もあまり注目してこなかったという。しかし、北海道大学の喜田宏教授は過去の大流行も豚が介在した可能性があると次のように警告している。

   「4000万人が死亡したといわれる1918年のスペインかぜ、57年のアジアかぜ、68年の香港かぜ、いずれも豚が介在していた可能性がある。豚同士で感染を繰り返すことで、人に感染しやすくなる。

   豚が新型ウイルス製造所になっていた可能性があるということで、豚の疫学調査をきちんとしようと2~3年前から呼びかけていた最中に、こういうことになった」

   鳥も重要、豚はもっと要注意と言うわけだが、取りあえず日本でやることは水際で食い止めるしかない。

   ところが、ゴールデンウイークにすでに突入しているのかどうか分からないがメキシコシティーにはけっこう観光客が……しかし、旅行者には情報が入ってこないために、何が起きているのかわからないようだ。

   現地のTBS記者の取材に、ある若い女性観光客は「みんなマスクをしているので、なんでマスクしているのかなって。ルチャリブレ(プロレス)を見に行こうと思ったら閉まっていたし……」と。

   政府は、メキシコ便が次に到着する4月29日から帰国者の健康観察を実施することになっている。

   しかし、国立感染症研究所の岡部センター長は「軽い人はよくわからないで動くので広がりやすい。パンデミック(世界的大流行)になりうる可能性を秘めている」という。

   番組に出演した毎日新聞論説委員の青野由利は「水際で食い止めるのは難しい。(今回の豚インフルエンザにも)タミフルやリレンザは効くといわれているが、調子がおかしいなと思った人は自発的に言って欲しい」と訴えている。