「シンプル」をなめてはいけない 「王の統治」と自由との関係

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   今回は「爆笑問題のニッポンの教養」をお送りする。

   ミニマル主義という言葉をご存じだろうか。不必要なものをそぎ落とし、そのものの本質的な美しさを問う概念だ。シンプルであるということ。今回登場した教授・原研哉の専門分野は、デザイン。武蔵野美術大学で教べんをふるう傍ら、デザイナーとしても活躍する。番組を見て感じたのが、彼の創り出すものは(彼はこう表現したわけではないが)まさにミニマルだということ。という彼の代表作、無印良品の広告にみられるように。

   「シンプルっていつ生まれたか分かります? シンプルって言うのはすごく複雑なものを経て出てきたんですね」

   原は写真を取り出す。複雑な装飾が施された青銅器の写真。

   「世界は複雑から始まるんです。村とか国が力を持ってることを示さなきゃいけないんで、オーラを持った、みんながひれ伏すようなものを作らなければいけなかった」

   過去の複雑なデザインをいくつか紹介した後、取り出した写真はアンネ・ヤコブセンの名作椅子「セブンチェアー」

   「王様の統治が終わって自由な社会がやってきた。市民社会って言うか。個人が自分の責任において自由に暮らせる社会ができてきた。人間とものとの関係をもっとダイレクトに、もっと合理的に。最短距離で物作りをしましょうということが生まれてきた。それがシンプルです」

   シンプルこそ、自由の象徴ということか。シンプルとは、単純であるということではない。練りに練られた簡潔のことを言うのだと私は思う。そこには必要なものしか存在せず、人はそこから想像力を駆使して自分の中で作品を造りあげる。だからといって、洗練されないシンプルはただ寂しいだけだ。ミニマルは、非常に高度な概念だと知った放送だった。

がくちゃん

   *NHK爆笑問題のニッポンの教養(2009年4月28日放送)

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