「10歳の殺人」に現実感 「ゲテモノ」ドラマではない

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「アイシテル~海容~」(日本テレビ) 2009年5月6日 22時~

   かつて14歳の女の子の妊娠を描いて、世に問題を提起した局が、今回また、10歳の小学生による7歳児の殺人というショッキングなテーマで波紋を広げている。だが、これまで視聴したところでは、決して話題づくりのゲテモノ・ドラマではなく、加害者と被害者双方の親たちの、嘆きと戸惑いと苦悶と逡巡をきめ細かく描いて、優れた作品になりつつある。一見の価値あり。
   殺された清貴は母・聖子(板谷由夏)の帰りが遅かったため、玄関外で待っていた時に、通りかかった智也に声をかけられる。そこから殺人に至るプロセスが今後の展開の主軸である。智也の父・和彦(山本太郎)はモーレツサラリーマンで、母のさつき(稲森いずみ)は専業主婦。清貴には姉がいて思春期の難しい時期にいる。
   智也は今、収監されているが、優しい家裁調査官・葉子(田中美佐子)に少しずつ心を開き始めている。どうやら、いつも不在の父親に欲求不満だった智也が、無邪気な清貴の言葉にキレて、突然の暴力になったのだろうと予測できるが、犯人の智也役の嘉数一星が、心を閉ざした凛々しい少年の難しい役どころを懸命に演じている。
   現実は10歳児の殺人だって起こりかねないと思わせる不安な昨今である。この作品は出来が良いので、もし万一わが家がどちらかの関係者になったらどうしようと考えさせる身近さがあり、今期ドラマの白眉になりそうな予感がする。

(黄蘭)

採点:1.5
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