英雄の行動に涙 詳細取材が浮き彫りにしたもの

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「BS世界のドキュメンタリー ハドソン川 奇跡の着水」(NHK BS1 再放送) 2009年5月16日 10時10分~

   かの有名なサレンバーガー機長(58)による奇跡のハドソン川着水を、時間を追って検証し、同乗していた乗客の証言を集めた英国製のドキュメントである。1言でいえば、こんな人物が民間機の機長をやっているアメリカは凄すぎる。これぞ英雄である。
   離陸後たった6分足らずでフライトが終ったUSエアウェイズ1549便は、乗客乗員155人。鳥を吸い込みエンジンは2基とも停止してグライダーと化し、管制官の指示する空港へさえ辿り着けない。必死の機長はハドソン川にかかったジョージ・ワシントン橋を僅か10mちょっとですりぬけて、着水時の機体の角度、<対気速度>など万に1つの選択肢しかないのに、それを実行して着水時の破裂や炎上も免れた。しかも凍てつく河に刻々と沈み行く機体の中で、きちんと制服を着て、長い機内を乗客が残っていないか2度も往復し、なかんずく、衣服が濡れたバリー・レナード(ファーストクラスの客)に自分のシャツを脱いでくれたのだそうだ。涙が出る。
   目撃者が携帯で撮った写真や、河辺りマンションの27階にいたニール・ラッシャーの、「目の前を大きな機体がドンドン落ちてゆき信じられなかった」証言や、レーダーで追えない高度なので、ヘリに追跡を依頼した管制官や、60歳の父が遥かに離れた後部座席の息子と巡りあえず悲しんだ顛末や、まことに詳細な取材ぶりに感心した。皆人生観が変わった恐怖の体験をコウベを垂れて見たのである。

(黄蘭)

採点:2.5
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